第一章
[2]次話
副会長の読む本
生徒会副会長金田莉子の趣味は読書である、眼鏡をかけた面長の顔に切れ長の二重の大きな目に形のいい細く長い眉に小さなピンクの唇と黒いロングヘアに尖った感じの顎の外見にその趣味はよく似合っていた。背は一六二位ですらりとしていて制服の着こなしも真面目で清潔な感じである。紺色のブレザーとグレーのスカートに青ネクタイと白いブラウスで靴下はいつも白なのも読書に似合っている感じだ。
その彼女を見てだ、クラスメイト達は話した。
「いつも本読んでるわね」
「暇があったら」
「それも真面目に」
「だから成績もいいし」
「特に文系が」
こう話すのだった。
「やっぱり読書っていいのね」
「成績にも影響するのね」
「私達もっていきたいけれど」
「どうもね」
苦笑いで言う者もいた。
「金田さんみたいにはね」
「いつも読めないわね」
「暇があると漫画とかスマホとか」
「そうなるわね」
こんな話をしていた、莉子は性格も悪くなく人付き合いもそうで彼女達とも普通にクラスメイトとして接していた。
それでだ、彼女達はこうも話した。
「何の本読んでるか」
「いつもね」
「それ本人に聞いてみる？」
「そうする？」
こう話してだった。
実際に彼女に聞いてみた、するとこう返事が来た。
「谷崎潤一郎が好きで」
「谷崎潤一郎？」
「誰それ」
「昔の作家さん？」
「そういえば教科書に名前出てた？」
「明治から昭和にかけて活躍した小説家なの」
莉子は微笑んでその作家のことを話した。
「代表作は細雪ね」
「そういえばゲームでも出てた？」
「漫画とかでも」
「文豪何とかで」
「どっかで聞いた様な」
クラスメイトは細雪と聞いてもこうだった。
「読んだことないわね」
「ラノベとかウェブ小説はあるけれど」
「昔の作家さんとかね」
「文豪って言われる人とか」
「縁ないわね」
「そうなの。他にはね」
莉子はさらに言った。
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