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馬作り
第一章

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               馬作り
 この時海の神ポセイドンは他の神々と共にこの世に生きる多くの生きものを生み出していた、その中でだ。
 彼は考えてだ、共に生きものを生み出す神々の中でも自分の兄弟であり世界を三つに分けて治めているゼウスとハーデスに言った。
「何か頭の中で思い浮かんだのだが」
「この世にある生きものでか」
「よい生きものをか」
「そうだ、速く走りな」
 そうしてというのだ。
「力強くものを運び曳ける」
「では農業にも使えるな」
 ハーデスは兄弟神の話を聞いて述べた。
「そうなるな」
「そして人も乗せられる」
 ポセイドンはこうも言った。
「そうしたな」
「生きものをか」
「考えているのだが」
「それなら戦いにも使えるぞ」 
 ゼウスはこちらにもと言った。
「よい生きものだ、ではな」
「これよりだな」
「作ってみるのだ」
「それではな」
 兄弟達の賛成を受けてだった。
 ポセイドンは実際に生み出しにかかった、だが。
 四本足の生きもので生み出してもだ。
「これはな」
「足が短いな」
「どうもな」
「うむ、しかも水が多くないと生きられぬ」 
 兄弟達に今生み出した生きものを見て話した。
「顔も大きく首も短くな」
「全体的にがっしりしていてな」
「力強いが」
「速くは走られぬ」
「それではな」
「これは違うな、水辺に行かせよう」
 その生きものをカバと名付けてそうした、それでまた新たな生きものを生み出したが。
「カバより大きくなった」
「しかも足が太い」
「首は短いままだ」
「耳も大き過ぎる」
「特に鼻が長いな」
「これもまた違う」
 ポセイドンは首を傾げさせつつ言った。
「どうもな」
「それではだな」
「また違うな」
「これは」
「お主が作りたい生きものではないな」
「そうなってしまった」
 こう言ってだった。
 ポセイドンはその生きものを象と名付け森に放った、そしてまた新たな生きものを作ったのだが今度は。
「やはり大きいな」
「今度は足が長過ぎる」
「細くてな」
「しかも首が長い」
「カバや象と正反対だ」
「これはこれでわしが作りたい生きものと違う」
 ポセイドンは今回も兄弟達に答えた。
「どうもな」
「そうだな」
「ではだな」
「まだ作るな」
「そうするな」
「そうしよう」
 こう言ってその生きものをキリンと名付けて草原に放った、こうした生きもの達を生み出してだった。
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