”激唱インフィニティ”
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たちは、その進路上に発生した氷の壁に阻まれる。
「……邪魔をしないでくれよ、フロストノヴァ」
「戦士ではない者を巻き込む必要もないだろう」
「なんだ? 君も参加者なのだから、人間から魔力を吸い取った方が強くなるのだろう?」
「無駄な犠牲は必要ない」
フロストノヴァは吐き捨てる。彼女の周囲ににじり寄って来た蝶たちも氷に閉ざされ、落ちると同時に消滅していく。
「ランサー。彼女は説得しないの?」
アウラはくすりとほほ笑みながら言った。
すでに、フロストノヴァとパピヨンは、互いを戦うべき敵と認識しているようだった。それぞれ氷と蝶が空中で火花を散らしている。
「参加者ではなくとも……戦士ならば、容赦しない……!」
「面白い! やってみろフロストノヴァ!」
パピヨンの蝶とフロストノヴァの氷。
それらは両者ともに夥しい量となり、互いを襲う。
だが。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
「響!?」
ビーストの目の前を、叫ぶ響が横切った。
彼女は両手を左右に突き出し、挟まる。
そして発生する、大きな爆発。フロストノヴァとパピヨンの攻撃は、響ただ一人に集中してしまっていた。
「いい加減にして……」
氷と爆発。
だがその中、響は叫んだ。
「こんな……戦いなんて……ッ! 間違ってるッ!」
『ダインスレイフ』
シンフォギアの白い部分が反転し、黒くなったそれ。
イグナイトモジュールと呼ばれる、シンフォギアの強化形態。これまでも逆境での有効打となったそれは、二人の異能の力から響を守っていたのだ。
「はあ、はあ……ッ!」
ダメージを受け、響は膝を折る。だが、上げたその顔には、決してあきらめが現れていなかった。
「この戦いを……終わらせるッ!」
「私の手にかかれば終わるわよ」
アウラは吐き捨てた。
「……え?」
「さっきも言ったじゃない。戦う必要なんてないわよ」
彼女は両手を広げながら、自らの周囲にいる死体たちを見せつけた。
「だからこうしているんじゃない」
彼女の周囲に集まる、首のない遺体たち。参加者であり、ファントムである彼らを従えながら、アウラは続けた。
「ほら。みんな私の下僕になれば、ずっと一緒。聖杯戦争のような戦いだって続ける必要はなくなるじゃない」
「……」
ビーストはじっと、響を見つめる。
何も言わなくなった響は、静かに目元を前髪で隠していた。
ビーストはやがて、静かに響へ声をかける。
「響。分かっただろ? アイツは……」
「……うん」
響は頷く。ゆっくりと顔を上げた響は、アウラ、フロストノヴァ、そしてパピヨンの三人を見やり。
それを眺めていた
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