第二章
[8]前話
「それを食べてね」
「寝ればいいか」
「お薬も飲んでね」
こう言って夫を何とかリビングに連れて行ってだった。
その雑炊を食べさせ風邪薬も飲ませてから寝かせた、それからだった。
山本は土日ずっと寝た、そして月曜の朝にだった。彼は妻に言われた。
「会社まだ忙しい?」
「乗り切ったよ」
妻にやつれた顔でお粥を食べつつ言った、土日は雑炊かスープ、お粥やうどんといったものばかりだった。
「何とか」
「だったら今日はね」
「休むことか」
「まだ熱三十七度あるから」
だからだというのだ。
「もう少しね」
「休むことか」
「あの、懲りたでしょ」
妻は夫にこうも言った、彼女もお粥を食べている。
「忙しくても体調悪い時によ」
「無理したらか」
「余計に辛くなるから。倒れなかっただけね」
「よかったな」
「そうよ、だからね」
それでというのだ。
「もうね」
「今日はか」
「もう一日休んで」
「身体を治すことか」
「周りも心配するしね」
「お父さん無茶し過ぎだよ」
二人の息子で父親そっくりの顔をした小学四年生の悟も言ってきた、彼も食べているのはお粥である。
「死ぬよ、本当に」
「何度も意識が朦朧となったよ」
自分から言った。
「やっぱりな」
「うん、無理しないでね」
「会社でも皆から言われたしな」
「皆心配してるのよ、だからね」
妻は夫に言った。
「これからは忙しくてもよ」
「体調が悪いと無理しないことだな」
「さもないと最悪ね」
「死ぬな」
「実際死にそうになったでしょ」
「そんな気分だったよ」
「だったらね」
それならというのだ。
「もうね」
「ああ、二度としないよ」
「じゃあ食べたら休んでね」
「ベッドの中で寝るよ」
「お薬飲んでね」
こう話してそうしてだった。
山本は実際にそうした、そして以後体調が悪い時に無理はしなくなった。死にそうになるし周りも心配するからそうしていった。それで充分働けていい家庭も築けて長生き出来た。
風邪でも休めないから 完
2024・5・24
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