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おもちゃ会社も大変
第二章

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「野球盤も古いしな」
「アレンジもし尽くされて」
「小さな子しかしないからな」
「だからですね」
「爆発的に売れるなんてな」
「ないですね」
「ああ、しかも野球をする国は案外限られてるし」
 このこともあってというのだ。
「海外だとな」
「サッカーですね」
「かといってサッカー盤が売れるか」
「それも限られていますね」
「ああ」
 そうだというのだ。
「これがな」
「小さな子だけで」
「英語版に中国語版にな」
「あとスペイン語版ですね」
「色々作ってな」
「世界で売っていますね」
「それでもな」
 そうしているがというのだ。
「こうしたのは古いからな」
「例年通りですね」
「細部のアレンジしか出来ないからな」
 こう言うのだった、努力してもそれは例年通りの成果になった。
 そうしたことばかりだった、それで藤田はあれこれ考えたが。 
 次の年の野球盤も細かい部分のそれこそ文字を変える位だった、そうして例年通りの売れ行きだったが。
 中沢は藤田に売れ行きを見て言った。
「黒字だからな」
「いいですか」
「赤字でなくてな」
 それでというのだ。
「例年通りでもな」
「いいですか」
「合格だ、そりゃ売れたらな」
「それに越したことはないですね」
「ああ、大ヒット商品が出たらな」 
 そうであればというのだ。
「いいさ、けれど大抵の商品はな」
「こうしてですね」
「例年通りだ、そうした商品が殆どだ」
「やっぱりそうなりますね」
「しかしな」 
「そうした商品でも努力して」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「売るんだ」
「それで例年通りですね」
「そうした商品が殆どだ、そしてそうした商品を例年通り売ることもな」 
 そうして業績を残すこともというのだ。
「大事だ、会社にとってな」
「そういうことですね」
「そしてそれにも必死で努力するものだ」
「会社それに私達社員は」
「だから頑張っていくぞ」
「はい、必死に頑張ってコツコツですね」
「それが会社ってものだ」
 こう言ってそうしてだった。
 中沢は藤田にまた野球盤の話をした、藤田もその話を聞いた。そして商品を開発していくのであった。


おもちゃ会社も大変   完


                    2024・5・24
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