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段ボールに入ったことに気付かなかった
第一章

[2]次話
                段ボールに入ったことに気付かなかった
 ユタ州で宅配の仕事をしているマット=クラークとキャリー=クラークの夫婦は今二人の愛猫である三毛で顔の黒い模様が印象的な雌猫ガリーナを探していた。
 五日程前に急にいなくなった、それで必死に探していたが。
「一体何処に行ったんだ」
「わからないわね」
 黒い後ろに撫でつけた髪の毛と立派な黒い髭を持つ若い白人の夫もブロンドのロングヘアで青い目で整った顔立ちの夫と同じ位の年齢の妻も項垂れていた。
「ご近所探して」
「貼り紙もしてネットでもお願いしているけれど」
「手掛かり一つないな」
「本当にね」
 二人共項垂れていた、兎に角だ。
 ガリーナは何処にもいなかった、それで夫婦は彼女が心配で仕方なかったが。
 その夜だ、夫のスマートフォンに連絡があった。
「えっ、段ボールの中にですか」
「マイクロチップを調べますと」 
 アマゾンの従業員が会社の倉庫から彼に話した。
「そちらの娘とわかりました」
「ガリーナですか」
「お二人は先日商品を返品されましたね」
「はい」
 夫はまさにと答えた。
「そうしました」
「段ボールに入れて」
「ちゃんと蓋をしてガムテープで閉じて」
「猫は段ボールが好きなので」
 だからだというのだ。
「入った様ですね」
「そうだったんですね」
「その時に気付かなかったんですね」
「入ったことに、そしてこちらに商品が来たので中身を確認しますと」
 そうすればというのだ。
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