第四話 ウルトラ兄弟の危機その十
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「何かまた来たのかね」
「別の宇宙人とか」
「そんなのは来んでもいいっ」
また余計なことを言った秘書官を叱る。
「いえ、ですが」
「また来たのかね」
隊長の言葉を聞いて泣きそうな顔をまた見せてきた。
「みたいですよ。ほら」
見れば上空に円盤が現われてきた。補佐官が一番見たくないものであった。
「間違いないですよね」
「今度は何処のどいつだ」
「また碌な奴じゃねえだろうな」
「そうね」
リュウ、ジョージ、マリナがそれぞれ言う。ウルトラマン達も身構えている。
「誰が出て来る?」
ヒカリが円盤を見上げて呟く。
「今度は」
「いいか、皆」
タロウが他のウルトラマン達に対して声をかける。
「もう時間も力も残り少ない。だが」
「はい」
メビウスがそれに答える。
「僅かな時間でもその許す限り」
「戦うまで」
ヒカリも言う。彼等はまだ余力があった。
だがレオとアストラ、ヒカリはそうではなかった。彼等には明らかに疲れが見えていた。
そのまま身構えている。そこに円盤から遂に彼等が姿を現わした。
「何っ」
「奴等までもが」
タロウとヒカリが彼等を見て声をあげる。
「で、出た・・・・・・」
テッペイが彼等を見て思わず声をあげた。
「あれってまさか」
「補佐官、あの」
コノミと秘書官も言葉を失っていた。補佐官はやはり泣きそうな顔になっていた。
「何をどうやったらあんなとんでもない顔触れが揃うんだ」
「ガッツ星人」
タロウがガッツ星人を見て声をあげる。
「ナックル星人」
ヒカリはナックル星人を見ていた。
「ヒッポリト星人。何故ここに」
「ふふふ、知れたことだ」
ヒッポリト星人はメビウスにそう言葉を返した。
「地球を征服しにな。それ以外の何があるというのだ」
「その為に手を結んでか」
「そうだ」
ガッツ星人があの独特の声で述べた。
「その為に我等は今こうして来たのだ」
「では聞こう」
ヒカリが彼等に問う。
「今までのことはやはり貴様等が」
「その通りだ」
ナックル星人の声には奸智が感じられた。
「全て我等の攻撃だったのだ」
「くっ、あれだけの戦力でか」
「甘いな、ウルトラマンタロウ」
ヒッポリト星人がタロウに対して言う。
「我々の戦力はあれだけではない」
「何だとっ」
「まだある。しかし」
ここでその不気味な目が光った。
「貴様等にはここで死んでもらう」
「戯言を言うな」
ヒカリがその声に身構えてきた。
「貴様等三人で我々の相手になると思うか」
「ふふふ、充分過ぎる」
「如何にも」
それに対するガッツ星人とナックル星人の声は余裕に満ちていた。
「今の貴様等では我等に勝つことはできぬ」
「そして今ここで死ぬの
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