第8話:あらゆる意味で足りない……
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て、その上で動かれていたと?」
ここで嘘を言っても意味が無い……と言いたいところだが……
「まあ……ね。欲を言えば、ここまで追い詰められる前に豊臣秀吉が信じる方法で決着を着けたかったけどね」
これは、私の嘘偽りが無い本音だ。
「オラウ……私達はもっと……ちゃんとオラウの話を聴いてやれば良かったな」
そこへ、アニマがしゃしゃり出て来て、
「それに、さっき捕まえた人、拷問しようとした人を言葉巧みに騙そうとしていたよ」
アニマの報告に頭を抱えるギョクサイ姉上。
だが、ドウカァーはふと大きな問題に気付いてしまった。
「で、どちらが国王の代理を務めるので?順当に行けば、ギョクサイ様だとは思いますが」
そこである。つまり、誰がムソーウ王国の国王になるかである。
ここをドジれば、権力争いによる内乱に発展してしまう大事な問題だ。
が、豊臣秀吉は既に目星を付けて唾を付けている!
「いや、順当に行けば私でもギョクサイ姉上でもない」
それを聴いてドウカァーはハッとする。
「オラウ様まさか……ですが!あの方は国王が務まる程、お強くはありません!」
「それは、ただ単純に戦闘力が低いからだろ?だが、豊臣秀吉が求める強さは、知力の方じゃ」
そう言いながら、豊臣秀吉は自分の頭をトントンと叩く。
「あらゆる物を見抜き、全てを照らし、隅々まで支配する。それが出来る程賢い者、それが今の世に求められる王の素質。少なくとも、豊臣秀吉はそう思うぞ」
ギョクサイ姉上が以外にも納得した。
「そうだな」
「ギョクサイ様!?」
「現に、私や父上はエイジオブ帝国との戦いの最中に裏切り者に騙された。もしもその裏切り者の嘘にもっと早く気付いていたらと思うと……」
「だから、あの方に国王代理を務めて頂くと?」
豊臣秀吉は力強く頷いた。
「そうだ!ムソーウ王国第二王子、サカシラ・ガ・ムソーウ兄上こそが、ムソーウ王国国王に相応しいと判断する!」
結局、ムソーウ王国国王の参戦によってオラウはいつもの戦法が出来ないと判断したイナオリは、せっかく出撃させたイェニチェリを引き連れながらさっさと王都に帰ってしまった。
しかし、残されたヨツメに届いた凶報は、イナオリの想定外だらけの物であった。
「取り逃がしたぁーーーーー!」
「はい。国王を背後から攻撃する事に成功し、オラウをあと一歩まで追い詰めたのですが、ヤコフ大隊が取り逃がしてしまったギョクサイ・ヨ・ムソーウの乱入を受け―――」
ヨツメは怒りに任せてコップを破壊した。
「あの気色悪いだけが取り柄の役立たずめ!俺のせっかくの手柄をドブに捨てる気か!?」
「ひいぃーーーーー!」
伝令兵は怯えながら困惑した。
(何と言うお姿!?これが、エイジオ
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