暁 〜小説投稿サイト〜
私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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 6月になって、同じクラスの仲良くなった天野アキちゃんから

「マオ ウチに遊びにおいでよー 苺が食べ放題だよー」と、誘われていた。彼女の実家は苺のハウス栽培をやっていると言っていたから・・。宇都宮からJRで1駅乗ったところ。土曜日に、伊織利さんはバイトって言っていたから私は空いていたのだ。

 駅に着くと、アキちゃんが迎えに来ていて

「歩いて30分ぐらいなんだけど 平気?」

「うん それっくらい 平気」

 駅前のお店が何軒かあるところを過ぎると、田舎の道になって徐々に家も少なくなってきて、そのうち畑とかビニールハウスが目立つようになってきた。そして、比較的新しいといえば新しい現代風の家に、その奥には古い農家のような家と倉庫みたいなのが建っているところで

「ここよ 苺とかさつま芋をやってるの」と、新しい家のリビングに通されて、麦茶を飲みながら

「さっきまで、朝の収穫と出荷作業やってたのよー 今は、お母さんとお兄ちゃんが、昼からの出荷の準備なの」

「へぇー アキちゃんは手伝わなくていいの?」

「うん 朝だけ 小さい頃から学校行くまでは手伝ってる 今の時間は朝より数は少ないからね 二人だけで大丈夫 後で、食べに行こうね おじいちゃんが、今 配達に行ってるのよ 道の駅とか地元のスーパーに つぅーと 昨日の売れ残りとかを持って帰ってくるだんべ だからね 3年前ぐらいから、それと出荷出来ない傷物と形の変なのをジャムとかペーストに炊きあげてるのよ」

「そうなん 大変なんだね」

「まぁ ウチの収入源よー 私達が大学に進めるのも 苺があるお陰!」

 そして、アキちゃんは私に練乳を紙コップに半分くらい入れたのと小さなポリ袋を渡してきて

「苺を付けて食べるの 袋はヘタを入れて! みんなはそのまま食べるんだけど、アキだけはこれを付けるの」と、倉庫に案内されて、苺の選別作業をやっているお母さんとお兄さんに紹介してくれていた。

「奥浦真織ちゃん 大学一の美人なのよ」

「アキちゃん! やめてよー」

「あぁー 評判になっているよ! 声を掛けようと思ったら 残念! どうも彼氏が居るみたいだって みんな言っている」

「お兄ちゃんなの 同じ生物資源科学科の3年生」と、アキちゃんが言っていて、

「あっ 先輩ですね 奥浦真織です よろしく」と、改めて頭を下げていると

「天野カツです よろしく なるほど 近くで見ると確かに美人だわー 俊平が入学式の時 大きな魚を釣り逃したって残念がっていたよー あげくの果て 藤井朋子に横取りされたって」

「あっ あの剣道部の人ですか?」

「そぅー 同じ高校なんだ!」

「お兄ちゃんねぇー 剣道やってたんだよ! 去年まで だけど、膝を痛めたから
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