第二章
[8]前話
「その時は」
「そう、もうね」
それこそというのだ。
「まさにそこからね」
「国が衰えますね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「君もね」
「そのことを肝に銘じることですね」
「そうしていってね、そして実際にね」
伊東はさらに話した。
「日本政府として国内の中小企業の税率を軽減して」
「経営を順調にする様にですね」
「その政策を行うわ、社員さんが少なくて規模が小さくても」
そうした企業でもというのだ。
「決して軽く見ないで」
「大事にする政策や経営をしていけば」
「国家もグループもね」
どちらもというのだ。
「よくなるわ、だからね」
「はい、学ばせてもらいます」
「そうしてね」
「これからも」
八条は真面目な顔と声で答えた、そしてだった。
彼は祖父それに伊東の言葉を胸に学びかつ政治家として行動していった。国防が彼の専門だったが経済にも確かな識見があり中小企業の経営についての的確な指摘をすることでも知られた。そうして連合で活躍していったが。
中央政府国防長官としてだ、彼は連合の敵であるエウロパ総統ギルフォードの経済政策を見てとある中央政府高官に話した。
「彼の中小企業を保護し育てる政策ですが」
「大企業だけでなくですね」
「脅威です、あの政策によりです」
危惧する顔で言うのだった。
「エウロパは発展します」
「中小企業が発展するので」
「その分雇用も増え」
「お金も回りますね」
「そうなりますので」
だからだというのだ。
「エウロパは今高度成長に入っていると言っていいですが」
「その高度成長がですね」
「これからも続きます」
「そうですか」
「そしてこれまで以上に連合の脅威になります」
高度成長を遂げてというのだ、そして八条の言う通りになった。エウロパの中小企業は増えて成長し雇用も金回りもよくてだった。
エウロパは発展しこれまで以上に連合の脅威になった、そして八条はこのことには内心苦々しく思ったのだった。
中小企業あってこそ 完
2024・5・20
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