第一章
[2]次話
中小企業あってこそ
八条グループの後継者でもある星間国家連合中央政府国防長官である八条義統は学生時代当時グループの総帥だった祖父に言われていた。
「グループは多くの系列企業があってこそだ」
「経営が成り立ちますね」
「我がグループは連合屈指の企業グループだ」
三兆の人口を擁し銀河系の大半を領有する連合のというのだ。
「巨大と言えばまさに巨大、しかしだ」
「系列企業があってこそですね」
「子会社、孫会社、傘下の企業にな」
「取引先ですね」
「そうした企業があってこそだ」
「成り立つもので」
「企業そこにいる人達をな」
社員達のことも話した。
「大事にしないとだ」
「経営は成り立たない」
「お前はやがてグループの総帥になる」
その八条グループのというのだ。
「だから末端とされる企業までな」
「全てですね」
「守って悪質でなければ見捨てない」
「そうした経営をしていくことですね」
「それが代々の八条家の経営方針だしな」
「それを続けていくことですね」
八条は祖父に応えて言った。
「私も」
「真面目で少しでもやる気があれば見捨てるな」
「誰であろうとも」
「企業も人もな」
それこそ末端のとだ、こう孫に言い孫も頷いた、
やがて八条は大学を出てから暫く軍隊に所属そこから選挙に立候補して当選し政治家となった。政治家になるとだった。
すぐにだ、次期首相と目され辣腕と振るっていた伊東に見いだされ彼女から政治のことを何かと教わる様になった。その時にだった。
伊東は八条にだ、こんなことを言った。
「君は将来八条グループの総帥になるから言うけれど」
「それ故にですか」
「ええ、企業の殆どはどの国でもね」
それこそというのだ。
「中小企業よ」
「それは八条グループも同じですね」
「そうよね」
「はい、傘下の企業の殆どはです」
「系列を含めて」
「中小とされるです」
八条グループの中のというのだ。
「企業です」
「そうね、その中小企業があってこそね」
「八条グループは成り立っています」
「そして国の経済もよ」
それもというのだ。
「中小企業があってこそだから」
「中小企業を守ることですね」
「若し弱者切り捨てとかいうね」
「そうした政策を執り」
「中小企業を切り捨てたらね」
「それは貧しい人達や障害を持っている人達を切り捨てるのと同じですね」
八条は確かな声で言った。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ