第四話 ウルトラ兄弟の危機その四
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「一応は」
「その時、ここも酷い被害を受けたんだ」
「そうだったんですか」
「街全体が壊滅した」
阪神大震災によりだ。五千人以上の犠牲者を出し、多くの人達が被災に苦しんだ。この時の当時の政権政党と一部マスコミの愚劣な行動は今も語り草になっている。震災の煙を温泉街と称して怒りに燃える歌手にそれを歌われた愚劣なジャーナリストも存在している。
「街がですか」
「けれどこの街はそれから復興した」
隊長は言う。
「何とかな。そしてこうした素晴らしい味を出せるまでになった」
「そんなに深いものがあったんですね」
「そうだ、あらためてそれを感じてみて」
それからまたミライに問うた。
「味が違ってきたか」
「はい」
俯いて真剣な顔で答えた。
「何か。凄く」
「そうだろう、それを思うのも味なんだ」
「それを思うのも」
「そうだ」
隊長は言う。
「人の心というものだ。わかったな」
「はい、隊長」
ミライは強い声でそれに頷いた。
「何か、凄く元気が出てきました」
「おっ、それは頼もしいな」
ジョージがそれを聞いて笑顔を見せてきた。
「これからも敵が嫌になる位出て来るだろうからな。宜しく頼むぞ」
「はい!」
ミライははっきりとそれに応える。
「やります、皆の為に」
「よし、じゃあさらに食うか」
リュウは彼のその言葉に機嫌をよくして言った。
「じゃんじゃんとな」
「そうね。今度は海老なんか」
「鮑なんてどうですか?」
マリナとコノミはもう食べ物の話に移っていた。
「補佐官、スッポンもどうですか」
「おっ、いいなあ」
補佐官はテッペイの言葉に乗ってきた。
「それじゃあそれも」
「何か妻にも食べさせたくなってきましたよ」
秘書官は秘書官で何か勝手にのろけだしていた。
「一緒にね」
「わしは孫にだな」
補佐官も補佐官でのろけていた。
「全くのう。何であそこまで可愛いのか」
「全くですよ。私は何と幸せ者なのか」
そんな話をしながら食事を楽しんでいた。意気揚々と基地に帰るとそこには何故か総監代行がいた。
「あれっ」
「どうしてこちらに」
ミライと隊長がまずそれに気付いた。
「状況が変わりまして」
代行はにこりと笑ってからそう述べた。
「私もこちらに派遣されることになりました」
「そうだったんですか」
「そして総監は!?」
補佐官がそれに問う。
「総監もこちらに来られています」
「そうですか、では」
「ただ」
「ただ!?」
「はい、総監は別行動を取られていますのでこの基地には来られません」
「何だ」
それを聞いて首をガックリと項垂れる。
「折角今度こそと思ったのに」
「まあまあ補佐官」
そんな彼を秘書官が宥める。
「また何時か
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