第四話 ウルトラ兄弟の危機その三
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「そろそろお昼ですが」
「おっ、そうか」
それを言われると急に明るい顔になった。
「では諸君」
そしてGUYSの面々に顔を向けて言う。
「今日は力をつける為に中華街へ行くとするか」
「中華街ですか」
「うむ、奮発してな。では行くぞ」
「GUYS」
隊長が笑顔で言う。
「サリーーー、ゴーーーーッ!」
「GIG!」
今回のGIGは事情が少し違っていた。だが皆笑顔で出撃するのであった。
彼等は中華街の中のある店に入っていた。そこで大きな卓を囲んで食事に興じていた。
卓の上には様々な中華料理がある。彼等は私服で食事に興じていた。
「あの、隊長」
ミライはその中でラーメンを食べていた。食べながら彼に尋ねてきたのだ。
「どうした?」
「今補佐官が食べているのですけれど」
「あれはフカヒレスープだ」
「フカヒレスープですか」
「うん、美味いぞ」
隊長は満面に笑みを浮かべて述べる。
「一度食べてみたらいい」
「わかりました。それじゃあ」
「あれっ、ミライ君」
ここで海老蒸し餃子を食べている秘書官が気付いた。
「フカヒレスープって食べたことないの?」
「ええ、まあ」
ミライはそれに答える。
「はじめてだから凄く期待しています」
「そうなの」
「あれっ、今までフカヒレ食べたことないって」
テッペイが目を丸くさせる。
「また変わってるね」
「おい、フカヒレつったら御馳走だろ」
それにリュウが突っ込みを入れる。
「無理ないんじゃないか」
「けれど今は普通にバイキングとかでもあるじゃない」
それにはマリナが言う。
「ちょっとしたらねえ」
「そうですよね。それにミライ君ってそんなに貧乏じゃないし」
コノミも首を傾げていた。
「何か変ですよね」
「本物のフカヒレは食べたことがないってことじゃないのか?」
ジョージの何でもない言葉が結果的にミライを救うことになった。
「こうした店のはな」
「うむ。このフカヒレは美味いぞ」
補佐官は満面に笑みを湛えながら言う。
「君達も食べてみたまえ。お金の心配はいいからな」
「そうですか。じゃあ」
コノミがそれを受けて早速注文を開始した。
「フカヒレ下さい。人数分」
「うんうん」
「あと炒飯と豚足ラーメン、それと」
「俺水餃子」
「私麻婆豆腐」
「僕北京家鴨」
「俺はタピオカ。すぐにな」
リュウ、マリナ、テッペイ、ジョージも次々に言う。皆食べることにかけては凄いまでの気迫である。
「こんなに美味しいものがあるなんて」
ミライはフカヒレスープを飲みながら爽やかな笑みを見せていた。
「僕、感激です」
「気に入ったみたいだな」
隊長はそんな彼の横で明るい笑顔を見せていた。
「はい、とても」
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