第二章
[8]前話
「その妖怪が寝ていて寝相が悪くて動き回って」
「それで五月蠅かったのか」
「そうらしいんだよ、それで大家さん妖怪見てびっくりしてな」
それでというのだ。
「何時の間にいたんだってな」
「妖怪に言ったか?」
「それで去年からってな」
「妖怪が言ったんだな」
「それで大家さん妖怪と話して」
そしてというのだ。
「俺達に事情を話してくれたよ」
「屋根裏に妖怪がいたって」
「それで五月蠅かったってな」
「妖怪がいるとかな」
「まあうちの学校妖怪の話多いけどな」
「八条大学はな」
友人はビールを飲みながら応えた。
「そうだな」
「それでこのアパートにもな」
「いたんだな」
「ああ、そしてな」
それでというのだった。
「大家さん妖怪と話して」
「どうなったんだ?」
「家賃払うってことで」
「まさかと思うが」
「いるよ、今も」
因幡は天井を見上げつつ答えた。
「そうだよ」
「そうなんだな」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「今も時々な」
「音するか」
「そうだよ、ただ寝袋で寝る様にしたらしくて」
「前よりはか」
「寝袋だと動かないだろ」
「動き固められるからな」
寝袋に包まれてだ。
「それでな」
「五月蠅くなくなったんだ」
「そうだよ、よかったよ」
「そうだな、妖怪がいても迷惑じゃなかったらな」
「それでよしだよ」
笑顔で言ってそうしてだった。
因幡はおつまみの柿の種を食べた、そのうえでまた飲むのだった。屋根裏の話を終えた彼は実にさばさばとしていた。
屋根裏にいたのは 完
2024・5・18
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