袋小路
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ビーストは起き上がり、ハヤブサの指輪を交換する。
『ドルフィン ゴー ド ド ド ドルフィン』
回復能力を秘めたイルカの魔法。
右肩のオブジェがイルカと入れ替わり、そのマントを振るう。すると、紫の魔力がビーストの体を瞬時に治癒していく。
「ほう……お前も中々多彩な能力者ということか」
「古の魔法使いって名目だ。それなりに魔法は使えるぜ」
ビーストはそう言いながら、ダイスサーベルのダイスを回す。
そして、イルカの指輪で止まった出目は。
『2 ドルフィン セイバーストライク』
ダイスサーベルより召喚された二体のイルカが、壁の中を遊泳しながら、蝶たちを爆発していく。
トドメとばかりに、空中で浮遊するパピヨンへ、イルカたちは攻撃を行う。見事に蝶の羽を撃ち抜き、パピヨンはバランスを崩して落下していく。
「ほう……」
だが、身を翻して袋小路側に着地したパピヨンは、ビーストへ不気味な笑みを向けた。
「やるではないか」
「生憎、オレはハルトほど優しくねえからな。敵対するなら、そもそも容赦しねえ」
「へえ……」
睨み合うビーストとパピヨン。
やがて、次の動きに移ろうとするが。
「きゃあああああああああああああああああああああああっ!」
突如、その動きはちづるの悲鳴によって遮られる。
振り返れば、すでに白と黄色の武装、シンフォギアを身に纏った響がちづるを背にしながら、無数の敵と対峙している。
無数の敵。だがそれは、パピヨンが召喚した蝶ではない。
「あれは……!」
それは、首のない体。
人間らしきものから、明らかに人外の異形までバリエーション豊かだが、その全てに置いて共通するのは、その首がないということ。
「我流・撃槍衝打ッ!」
黄色いエネルギーを放つ響の拳。それは、数体のゾンビたちを瞬時に灰燼に帰す。
それによって開いた空間より、コツコツと足音が聞こえてきた。
「あら。やるじゃない」
その可愛らしい声には聞き覚えがあった。
パピヨンにダイスサーベルを向けたまま、ビーストは振り返る。
「アウラ……!」
ネクロマンサーのサーヴァント、アウラ。
昨日と同じく黒い奇妙な服装を着用した彼女は、ほとんど無表情と断言できるような顔つきでビーストを睨んでいた。
「あら。ビースト、先日ぶりね。そこの黄色いのはサーヴァントかしら?」
ガラスのように何も見ていないような目が、響を捉える。
響はちづるを庇うように手を伸ばしながらアウラへ叫んだ。
「立花響ッ! 十八歳ッ! 誕生日は九月の十三日で血液型はO型ッ! 身長はこないだの測定で160センチッ! 体重は……ッもう少し仲良く
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