第一章
[2]次話
鹿児島弁の女の子
小学四年生の種田時子は鹿児島から大阪に引っ越してきた、奇麗な黒髪は長くツインテールにしていて大きな楚々とした目に小さな唇と白い肌を持つ小柄な少女だ。
外見は可愛いと言えて性格も明るく真面目だ、だが。
「じゃっどんここは頑張るでごわすよ」
「いや、じゃっどんって」
「そう言われてもな」
「うち等わからへんわ」
「時子ちゃんいつもそう言うけれど」
「じゃっどんってどういう意味なん?」
「じゃっどんはじゃっどんでごわすよ」
鹿児島弁で応えるのだった。
「もうそう言うもんでごわすよ」
「いつもそう言うけど」
「ほんまうち等わからへんで」
「あとすぐにおいこらって言うけど」
「それ怖いわ」
「そうでごわすか?鹿児島じゃ普通に言うでごわすよ」
時子は微妙な顔で大阪のクラスメイト達に答えた。
「言葉の最初に」
「いや、それでもやで」
「いきなり何もなくておいこらとか」
「それ怖いわ」
「怒られてるみたいで」
「そうでごわすか、おいにはわからんでごわす」
そのおいという言葉も怖いと言われる、時子の鹿児島弁はわからないだの怖いだのよく言われた、それでだった。
家でだ、両親に言った。
「鹿児島の言葉わかりにくいでごわすか」
「いや、わかるとよ」
「わからん方がおかしかとよ」
両親はすぐにこう返した。
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