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私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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数日後、私はグラウンドの隅にある樹の陰から、見ていた。あの人がボールを追って走っていたのだ。初めて見る姿に、へぇーあんな風にやるんだと。だけど、私には声を掛ける勇気が無かったのだ。どう声を掛けたら良いのかと。すると、ジャージ姿の女子学生がこっちに向かってくる様子だった。さっきまで、グラウンドの中でボールを拾ったりしていた人。私は、即差に逃げるようにその場を離れていた。
せっかく ここまで追ってきたのに・・・声を掛ける勇気が無いのだ。
うじうじとしたまま、1週間程して、クラブの歓迎会をやるからと、街の居酒屋さんで・・私達新入生は勿論お酒を飲めなくて、食べるだけで、お茶を飲んでいたのだが、リーダーという朋子先輩は平気でビールをがぶ飲みしていたのだ。
終わった時に、私はトイレに行って、お店を出てきたら、もうクラブの連中は誰も居なかったのだ。私は真菜ちゃんに待っててねと言っておいたのだけど、だいぶ機嫌が良くなっている朋子先輩が、次行こうと騒いでいたので、強引に連れて行かれたのだろう。
店先には、二人の男子大学生らしき人が居て・・・ひとりはあの人だ。もうひとりの方が声を掛けてきて
「わぁー 可愛い娘 さっきの峰ちゃんクラブの子? 置き去りにされたんだー」
私が頷くと、あの人が振り返って、私を見て・・・驚いているんだかどうだか、じぃーっと見つめてきた。その間にも「ねぇ ねぇ 俺等 ラグビー部なんだ 置いて行かれたんだから俺等と飲みに行こうよー」とか話し掛けてきたけど、私も黙ったままあの人を見つめ返していた。しばらくはそのままで・・・私よ 真織よっ わかんないのかなー なんか言ってよー
だけど、店の中からひとりの女子生徒が出てきて「お待たせー じゃぁ 行こうか?」と、さっきトイレで入れ違いになった人だ。それに、あの時ジャージを着てグラウンドに居た人。
あの人は、促されて、黙ったままあっちを向いて歩き出したので、私は・・・おもわず
「ここに来たんは・・・ウチの勝手やー 勝手に思い込んだんやーっ」
少し、足が止まったように見えたけど、無視しているみたいに歩き出して・・・一緒の女子学生が
「ねぇ いいの? 思い詰めてるみたいだよー あの子 たぶん グラウンドで練習見てたのよー」と、言っているのが聞こえて、その時 (いいの? このままで せっかく ここまで追いかけてきたのにー)と誰かの声がしたように感じた。私は大声で叫んでいた。今までの想いを精一杯ぶつけるつもりだった。
「マオは 忘れて無いよ! ずっと 好きだったんだよ! あの時はごめんなさい #####・・・伊良夫《いらぶ》のこと ずっと 待っとったんよ!」涙声でちゃんと言えていたのかはわからない。それに、自分でも訳のわからない声が・・・
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