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私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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た。机と本棚とベッドだけの部屋。そのベッドには、パッチワークのタオル地のカバーが 確かに、黒とか紺の色が多いのだけど、バラとかリンドウなんかの花に混じって、ライオンとかトラの動物の絵もあって楽しそうなのだ。ここで、あの人は寝ていたのだ。気のせいかあの人の臭いを感じる・・・懐かしい・・・。でも、それは、私の記憶の底から想い出させるような・・・不思議な感覚。

「ねっ 面白いでしょう? これっ!」

「あっ そうですね! 私 こんなので毎日 寝たいなぁー」

「ふふっ ありがとう そう言ってもらえて うれしいわー ねぇ 真織ちゃん 泊まりにきたら? ここで 寝ればいいじゃぁない!」

「エッ そんなこと できるわけないじゃぁないですかぁ 伊織利さんのベッドでー」 私は、思わず言ってしまった。伊織利さんってー まずったと思ったけど

「それも そうね!」と、おばさんは気に留めなかったみたい。

 机の前の壁には、彼のラグビーボールを持って走っている写真が そして その横に 厚めの画用紙だろうか (関係ないやん ウチの勝手やろー てっか? 俺が好きでいるのも勝手やろー ず〜っと) の文字が乱暴に書いてあった。

 私が、しばらく、それに見い入っていると

「あの子 バカでしょ こんなの ずーと貼っているのよ よっぽど その子のことが好きみたい ろくな女の子じゃぁ無いのにねー 本当に真織ちゃんみたいな良い子だったら 良かったのにー あの子ね フルートも上手なのよ 中学の時 突然練習しだしてね」

(そうなんです ろくな女の子じゃぁ無いんです おば様ごめんなさい 私 バカ女なんです  でも・・・伊織利さんのこと・・・好き) その時、決まった! 私 この人のとこに行くって だって こんなに私のことこんなに好いていてくれるんだものー 会ったら、謝って 私も好き! って言いたい。

 その書いてある文字をなぞっていたら、おば様は不思議そうな顔をして見ていた。私は、少しでも近づけるような気がしていたから・・・。私は、あなたと結ばれているはずなのよー

「ごめんなさい おば様」

「えっ なんにも 真織ちゃんが謝ることじゃぁ無いのよ そうだ 真織ちゃんの写真送ろうかしら こんなにきれいで気立ての良いお嬢さんが近くに居るのよって あの子の気持ちも変わるかもよ」

「えー そんなことだけは やめてください!」

「あっ そう? 真織ちゃん 誰か好きな人居るの?」

「・・・居ます・・・離れてますけど」 心も・・・って

「あらっ そうなの 残念ねぇー 伊織利にって思ってたんだけど・・」

 私は、それ以上 居たら 耐えられなくなると・・・お詫びとお礼を兼ねて丁寧にお辞儀をして、カイを連れて戻ってきたのだ。

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