第四幕その五
[8]前話 [2]次話
「松茸もあるから」
「その茸もなのね」
「食べるんだね」
「この街にいる間にね。トリュフも食べて」
こちらの茸もというのです。
「楽しみましょう」
「トリュフもなの」
「あの茸も食べるのかい」
「トリュフも山の幸でしょ」
だからだというのです。
「それでよ」
「食べるのね」
「この街にいる間に」
「そうしましょう、兎に角美味しいものをね」
そうした山の幸達をというのです。
「楽しみましょう」
「そして今はなのね」
「この牡丹鍋を楽しむんだね」
「そしてデザートもあるから」
こちらもというのです。
「楽しみにしていてね」
「山の幸のデザートね」
「そうなるな」
「そうよ、お酒もあるし」
見れば日本酒があります。
「そちらもね」
「楽しむことね」
「そうすることだな」
「そうよ」
笑顔で返事をしました。
「宜しくね」
「それじゃあね」
「そちらも楽しませてもらうよ」
「そうしてね」
こうお話してです。
皆で牡丹鍋を食べました、沢山のお肉に山菜に茸に白菜にです。
お豆腐も食べます、薄く切られて白いお皿の上に牡丹のお花の様に盛り付けられた猪肉を食べていってでした。
おばさんはおじさんにです、お箸を使いつつ言いました。
「猪にこんなお料理の仕方があるなんて」
「思わなかったな」
「カンザスにいた頃はね」
「そもそも平野でな」
「猪自体がね」
「いなかったな」
おじさんはおばさんに答えました。
「豚肉は食べていたが」
「それでもね」
「猪はなかったな」
「そうだったわね」
「それがな」
「オズの国に来てから」
そうしてからというのです。
「食べる様になったわね」
「そうなったな」
「私達はね」
「ああ、猪は山の生きものですからね」
カルロスも言ってきました。
「平野にはいないですね」
「ええ、だからね」
「食べたこともなかったんだ」
お二人はカルロスに答えました。
「それでオズの国で食べてね」
「こうしたものだってわかったのよ」
「豚肉に似た味でね」
「匂いと固さがあるね」
「豚肉に似た味なのは当然よ」
ドロシーがこのことをお話しました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ