暁 〜小説投稿サイト〜
私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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さんは呼び鈴を押していた。えぇー まさか・・・そんなぁー
出てきたのは、ウェーブが掛かっていて少し栗色で長めの髪の毛。紺色のキャミソールワンピースでその下には白の薄手のセーター。上品そうな女の人が笑顔で迎えてくれた。お母さんと年はそんなに変わらないように見えた。
「いらっしゃい お嬢さんも どうぞ 中に入ってー」と、通されたのは、広ーいリビングダイニングで、ガラス戸の向こうにはお花がいっぱいのお庭が見渡せる。部屋の周りの調度品とか飾りも手の込んだ風なのばっかり。ソファーに案内されて、紅茶とクッキーが出てきた。
「慶ちゃんもきれいかったけど・・・やっぱりネ 清楚で品があるわー」私は、黙って首を振りながら下を向いていた。
「真織って言うの 私には過ぎた子でね 御夕飯の支度もいつもやってくれるのよ」
「あっ そうなの? 慶ちゃん 楽ねぇー それに こんなにきれいだしー 楽しみでしょう? 今 お幾つ?」 見た目だけは褒めてくれていた。私は、緊張していたのだが、お母さんが
「今年 高校3年になったわ お化粧もリップクリームぐらいなもんで 素直で真面目で 私の自慢の娘よ 上にお姉ちゃんが居るのだけど・・そっちは 遊んでばっかりで・・」
「あらっ それで、お化粧なんかしたりしたら、ますますきれいになって スカウトなんかされたりしてー アイドルになったりしたら慶ちゃんも大変よー」
「ふふっ そうだわね ねぇ 先輩はいつ ここに?」
「そうねぇー 伊織利が中学生になる時だから もう7年になるのかなー 私ね 慶ちゃんが寿退社して、しばらくしてから、赤ちゃんが出来たのがわかって、慌てて籍を入れてもらって、それからは京都のマンションだったんだけど、私 お庭が好きでしょ だから、ここに・・・まだ、マンションもあるの だから、旦那はこっちへは殆ど来ることないのよ 私も週の半分は京都なんだけど 慶ちゃんは、いつ ここに?」
「もう10年はなるわ 私の実家 父が亡くなって、実家に入ったんだけど、母もう居ないのよ 先輩のお子さん 伊織利っておっしゃるの? いいお名前ね」 間違い無い! あの人 伊織利さんだ 今 居るの? 私は、急に顔が火照ってきていた。
「そう そん時の子 ひとり息子 なんかの拍子で一途になるとこがあってね 大学なんかも、高校の時のクラブの先輩に傾倒しちゃってね 同じとこ行くんだって・・・でも、去年 浪人しちゃったのよ そーしたら、自分を見つめ直すんだって ひょいと北海道の牧場に行っちゃってー 今年、受かって安心してるんだけどネ でもね 北関東の田舎の大学なのよ 一人住まいでしょ 今度は、そっちも心配なのよ」
合格したんだ。良かった! でも、行っちゃったのね と、私はガックリしていたが
「そう
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