爆発しろ
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つだったか、響の記憶から再現された、彼女の大切な人。そして、彼女とその大切な人のおかげで、一度はこの世界さえも救われた。
「それで、今から探しに行くんだよね? その、フロストノヴァさん? のマスターを」
「まあな。で、今のところ候補は二人。一之瀬ちづるって女と、オレもよく知らねえけど花園ってヤツだ」
「コウスケさんが知らない人じゃあ探しようがないんじゃ……それに、知ってる方も手がかりってあるの?」
響の問いに、コウスケはどっかと腰を落とす。テントの布越しに地面のごつごつした感触を覚えながら、コウスケは答えた。
「一応な。繁華街にいたって話だし、見滝原東の繁華街に行ってみようと思う」
「繁華街かぁ……」
「大学で聞き出したとしても、結局アイツはオレに話してくれねえだろうからな。しばらく付け回して、フロストノヴァといる決定的なシーンを捉えるしかねえんだよな」
「それってつまり……ストーキング?」
響は首を傾げた。
その事実をなるべく受け入れたくなかったコウスケは、ばつの悪い顔を浮かべながら頷いた。
「まあ……そうとも言う」
「そうとしか言わないような……」
「差し当たっては、一之瀬を探しながら、もう一人、花園ってヤツの情報収集を行っていく形になるな」
「うーん……マスター探しって大変……」
「むしろ聖杯戦争の性質を考えたら、普通は隠れるよな……これまで出会ってきた他の参加者がどいつもこいつも自分で戦う能力を持っている奴が多かったから、結果的に隠れる必要がなかっただけだ。或いは、徹底的に隠れて探すどころか影も形もなかった奴か」
コウスケはそう言いながら、これまで出会ってきたマスターたちを思い返す。
ハルト、可奈美といった、自分でもサーヴァントと対等に戦えるマスターや、トレギアやリゲルといった、マスターの存在が全く表に出てこなかったパターン。それぞれ両極端な件が多く、普通の生活をしているマスターはあまりいなかった気がする。
「なまじ大学にいるかもしれねえって推測があるだけに、この範囲で探すのが余計に大変な気がしてきたぜ」
コウスケはそう言ってスマホを取り出す。
「アイツの写真あったかな……」
「どれどれ? クラスメイトの写真持ってるの?」
「大学ってあまりクラスメイトって呼び方しないけどな。偶然写真に写り込んでいたりとか……お、いたいた!」
それはかなり幸運と呼べるだろう。
いつだったか、講義が終わった後、仲の良い友人たちで集まって撮った写真。その背景、割と近い場所に、眼鏡をかけた女性が映り込んでいた。
「コイツだコイツ! コイツを探すところからだ」
「ふーん……オッケーッ!」
響はしっかりとちづるの顔を頭に刻み込んでいるようだ。
彼女はサムズ
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