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Fate/WizarDragonknight
爆発しろ
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「多田だよ。多田コウスケ」
「ああ! そうよ! 多田くんよ! 当然覚えているわ」
「今しっかり忘れてたじゃねえか」

 コウスケは口を尖らせる。
 一方香子はそれ以上コウスケには構わず、祐太の肩に顔を埋めている。祐太は照れ臭そうにしながらも、香子を払いのけることはせずにコウスケへ顔を向けた。

「知り合いだったんだな?」
「今のやり取りって知り合い同士がやることか? ……まあ、去年グループワークの講義で一緒になったことがあるからな」
「ええ。当然覚えているわ。ええっと……その……高田くん」
「お前の記憶力一分未満かよ!」

 同じ間違いを繰り返す彼女へツッコミ、コウスケはジト目で香子を睨む。

「お前、もしかしてオレ以外の奴も誰も覚えてねえんじゃねえか?」
「そんなことないわよ? えっと……」

 彼女の目が少しずつ泳ぎだしている。
 そこでふと、コウスケは参加者探しへの明光を見出した。

「それじゃあそうだな……例えば、一之瀬とか覚えてるか?」
「お、覚えてるわよ! この前だって、繁華街にいるところを見かけたわ。彼女、よくあの辺にいるらしいわね」

 繁華街。
 一之瀬ちづるが、繁華街にいる。
 全く手がかりのないコウスケにとっては、とてもいい手がかりだ。
 確かな手応えを感じながら、コウスケは祐太へ言い直す。

「大変な生活だなってさっきまで言おうとしてたんだが、お前のその表情でその心境吹き飛んだわ。盛大に爆発しろ」
「えへへ……」
「何鼻の下伸ばしてんだよ」
「祐太、この人はお友達?」
「ああ」
「とうとうこの人呼ばわりかよ……」

 ため息を付きながら、コウスケはとりあえず見知った人がマスターでなくてよかった、と結論付けることにした。
 きっと、次回彼女に出会った時も同じやり取りを繰り返すんだろうなと確信しながら。



「っつーわけで、オレも彼女が欲しくなったわけよ」

 テントに帰宅したコウスケは、開口一番同居人のサーヴァント(女子高生)へ宣言した。

「じゃあ、わたしが彼女になってあげるッ!」

 即答したコウスケのサーヴァント、立花響。
 彼女は一瞬逡巡し、両手を逆さに組み合わせ、胸元で「えいッ」とハートマークらしきものを作る。

「……何だそれ?」
「彼女になってあげるのポーズ……?」
「なぜ自分で疑問形なんだよ」
「だってやったことないんだもんッ!」

 響は目を瞑りながら叫んだ。

「そもそも、彼氏彼女って何ッ!? 女子校で出会いなんてなかったし……それに、未来(みく)がいたからあんまり欲しいって思わなかったんだよ……」
「ああ……」

 未来(みく)。小日向未来。
 その名前は、コウスケも聞き覚えがある。
 い
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