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故郷の星
第一章

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                故郷の星
 古田良元は陸上自衛官である、二十五歳になったばかりで階級は三等陸曹である。丸眼鏡をかけた穏やかな顔で黒髪を短くしている。背は一七〇位で自衛官らしく引き締まった体格である。
 彼は今ガザにいた、それで同僚達に話していた。
「戦闘が終わって何よりだけれど」
「酷いな」
「これは確かにPKO必要だな」
「どう見ても」
「全くだよ、ほったらかしにしていたら」
 廃墟となったガザの街を観つつ言うのだった、見れば古田も他の者もPKOの証である青いベレー帽を被っている。
「駄目な状況だよ」
「全く、暴れ回ってくれたな」
「報道は見ていたけれど」
「実際にこの目で見ると酷いな」
「あいつ等どれだけやったんだ」
「酷過ぎるだろ」
「全くだよ、けれど戦闘は終わって」
 そうしてというのだ。
「曲がりなりにも」
「ああ、復興とな」
「一般市民の救助をしようってなったしな」
「PKOもこうして派遣されて」
「俺達も来たしな」
「やれることをやっていこう」
 自分達がというのだ。
「命令された」
「そうしような」
「とんでもない状況だけれどな」
「それでもな」
「やっていこう」
 こう話してだった。
 古田達ガザにPKOで派遣された自衛官達は治安維持活動に戦災に遭った一般市民への救助と救済にあたった、それは極めて大変な仕事で。
 ある金曜日の昼食の時だ、彼等はカレーを食べつつ話した。
「予想以上にきついな」
「そうだよな」
「やることが多くて」
「本当にな」
「治安維持をしても」
 その活動をというのだ。
「泥棒とか多くてな」
「それも武器を持った」
「俺達は危険な場所を受け持っていないけれどな」  
「それでもな」
「治安悪いことは悪くて」
「困ってる人も多くてな」
「全く、一般市民と街をここまで攻撃出来るなんてね」
 古田もカレーを食べている、そのうえで言うのだった。
「有り得ないよ」
「全くだよ」
「あいつ等やりたい放題だな」
「幾ら宗教違っても一般市民巻き込むな」
「テロリストが紛れ込んでいてもな」
「国際法なんて」
 その国にとってはとだ、古田は言った。
「もうそれこそ」
「どうでもいいものだろうな」
「絶対にそうだな」
「だから一般市民も巻き込むな」
「自分達が返せって言ってた人質の人達まで」
「それで僕達ここにいるけれど」
 古田は自分達のことも話した。
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