15話
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乗り越えて無事にサイド3に帰ろうとも、所謂敵前逃亡者である。それは、かつて連邦政府に帰順せずに民間に流れていたエゥーゴやティターンズの彼らも同じで、紅茶野郎みたいなエリートならまだしも一般参加者たちはティターンズやエゥーゴに参加して、地球連邦軍に帰らなかった単なる反政府主義者のクーデターテロリストとして処理される。この地球で失えないものが出来た彼らがこのマフティー軍に参加するのは、失えないものを守るためというのが殆どであり、マンハンターと言う巨大なトリガーが無ければ彼等は集まりもしなかったらしい。
彼らが語る一番の懸念は、マスコミが流していたり、インターネットやSNSが語る現政権の軍人が参加した事による軍事政権化、これがマンハンターというものが作ったトリガーを引くことになったらしい。現に兼任していた役職を首相や副首相が批判を避けるために軍人に割り振っていて、兼任はすでに首相兄弟で各3つまでに減っていた。
実際問題としては、当然集まって来た彼等は戦いたくはないが、戦わなければマンハンターにお遊びで狩られて座して死ぬ。それも家族を巻き込んでという形なので、仕方がなしに決起したに過ぎない。これがただの自分一人が決起をしたならば、家族も騙されていましたと言い張れば迷惑はかからないとそんな理由もあったらしい。それを聞かされて、「はい、帰ってください」とは言えなくて受け入れざるを得なくて困った。
テロリストを作らないためには、テロリストに家族や財産を作らせてリスクとリターンを計算させたら良いのかとも思った。明らかに袖付きよりも守るべきもののために、死にに来た人数のほうが多いのを見ると、マンハンターが無ければ地球連邦政府の政策はそれなりに間違ってなかったのだろうなと思う。だからこそ、そのマンハンターと上流階級の傲慢さにより、環境も人の営みも滅び行くのをハサウェイが許せなかったんだろうなと思ってしまう。
本来はジオンもティターンズもエゥーゴも集まってきた彼らは戦うはずの人達ではなかったのだから‥。だとすればこのマフティーブームと、少しだけ連邦政府に反省を促すダンスが流行ったのもわかる。
彼らのような面と向かって連邦政府に抗議ができない脛に傷持つ人々が、マフティーという仮面を手に入れることによって、違う自分になってやりたい話ができるからだろう。まるでVTuberや匿名掲示板にSNSが流行っている現代とも似ているのだな。
長々と考えているうちに料理が冷めてしまった。集まってきた彼らを考えると食欲がなくなってしまったが、残さずに全部食べた。しかし、冷めたミルクティーだけは飲む気が起きずにあきらめた。食わねばやってられるか、このやるせなさ。地球連邦政府が生かさず殺さず納税させると言う建前的な約束を守れば、彼らは決起もせずに幸せに暮らせ
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