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親友の彼女
第二章

[8]前話
「そこまで背の高い女性はいたかい?」
「一八〇ある女の人もね」
「滅多にいなかったね」
「僕達の学年ではいなかったね」
「そうだよ、あの大谷翔平選手でだよ」 
 メジャーで活躍している日本人選手の話もした。
「あのメジャーでもかなり大きい方だね」
「一九三でね」
「その大谷選手の奥さんどうだい」 
 ネット上で話題になったこの人はというのだ。
「一八〇以上あるが」
「そうはない高さだね」
「女性としてはだね、その人よりもだよ」
「ハニーは高いからかい」
「そんな人が他にいるかい、そこまで背の高い人はね」 
 そうした女性はというのだ。
「やっぱり往々にしてね」
「もてないっていうんだね」
「そうだよ、君が宇宙一と思っても」
 そこまでの美女だとだ。
「僕のタイプじゃないよ、だから君の彼女にはね」
「何もしないんだ」
「友人としてお付き合いさせてくれれば嬉しいよ」
「それだけだね、あと僕はそもそも誠実でありたいと思っているから」
 倫理観の話もした。
「間違ってもだよ」
「親友の彼女にはだね」
「手を出さないよ」
「そうなんだね、いや邪推だったかな」
「以後気を付けてくれ、僕以外の誰にも」
「思ったらいけないことだね」
「君の彼女も浮気はしないね」
 チャールストンに尋ねた。
「言われてみると」
「警戒は必要でも」
 それでもというのだ。
「人を無闇に疑うのはね」
「駄目だね」
「そうだよ」 
 まさにというのだ。
「本当にね」
「だからだね」
「以後そうしたことは思うことはあっても」
「言わないことだね」
「関係が壊れても」
 人と人のそれがというのだ。
「当然という行為だからね」
「そうだね、以後言わないよ」
「そうしたらいいよ、兎に角人には好みがあって」
「人を疑うことは言わない」
「相手を信じる、信じられる人とわかったら」
 その時はというのだ。
「信じることだよ」
「その言葉肝に銘じておくよ」
「頼むよ」
 こう親友に言った、そしてだった。
 チャールストンは以後李と恋人を疑うことはなかった、そして彼が宇宙一の美女と言う彼女の評価は。
「背が高過ぎて」
「ちょっとな」
「顔立ちは奇麗でも独特で」
「かなり好みが分かれるな」
 彼以外の者はこう言って恋愛対象とは見なかった、彼は気付いていなかったが彼女の評価はそうしたものだった。


親友の彼女   完


                   2024・4・25
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