第二章
[8]前話
綾香と色々話すとだ、その人柄は。
「あんないい人いないよ」
「そうだろ、相手の人もな」
合コンの翌日図書館の中でだ、同僚は岡田に笑顔で話した。
「そう言ってるよ」
「そうなんだ」
「それであっちからな」
綾香の方からというのだ。
「お前にまたな」
「会いたいって言ってるんだ」
「お前はどうなんだよ」
「あの人がそう言ってくれるのなら」
希望を抱いた顔でだ、岡田は答えた。
「それならね」
「異存はないよな」
「うん」
まさにというのだった。
「僕も」
「そうだよな、じゃあな」
「うん、またね」
「会おうな、その場所はセッティングするからな」
「それでなんだ」
「また会えよ」
「悪いね、次もなんて」
岡田は同僚に礼を述べた。
「本当にね」
「いや、実は彼女俺の彼女の親友でな」
同僚は岡田にこのことを話した。
「丁度交際相手欲しいって言っててな」
「それでなんだ」
「丁度お前も独り身だしな」
「丁度いいってなって」
「セッティングしたんだよ」
「そうなんだ」
「昨日の合コンでもう一組はカップルになったしな」
彼等はそうなったというのだ。
「今度はな」
「僕達だね」
「ああ、それじゃあセッティングするな」
「宜しくね」
「人間社長の娘さん、立場や金じゃなくてな」
そうしたものが重要でなくというのだ。
「やっぱりな」
「中身だね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「あの娘本当にいい娘だしお前も真面目で誠実で反省もする奴だからな」
「あの人と付き合えるんだね」
「だからそう言われたんだよ」
綾香にというのだ。
「とてもいい人だってな」
「そうなんだね」
「だからな」
それでというのだった。
「頑張れよ」
「そうしてくるね」
笑顔で頷いてだった。
岡田は再び綾香と会った、その時も彼女は素敵な女性であらためて好きになった。そうしてだった。
綾香も岡田に好印象を持った、そうして二人は付き合う様になった。二人はお似合いのカップルだと見た者は誰もが言った。
社長の娘 完
2024・4・24
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