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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
空の支配者
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操縦者の命を守るこの状態はISの補助を体の深くまで受けているため、ISのエネルギーが回復するまで操縦者は目を覚ませない。

 そしてそれ以上に重要なことは一夏さんは生身ということ!
 『白式』さえ展開されていれば私とセシリアさんの超音速飛行で離脱することが可能でした。しかしISの補助なしで超音速飛行なんてしたら一夏さんが窒息死してしまう。

「くっ!」

 状況的にこれしかない!!
 咄嗟に判断して箒さんを引っ張りながら海面スレスレを飛行していたセシリアさんの横に併走する。

「セシリアさん! 箒さんに一夏さんを!」

「な、何!?」

「なるほど、了解しましたわ」

 箒さんは理解できなかったようですが、それだけでセシリアさんは心得てくれたようです。抱えていた一夏さんを箒さんに無理やり押し付けると、私とは反対側にバレルロールしながら急上昇していきます。

「お、おい! どういうことだ!」

 一夏さんを放っておくわけにもいかず箒さんが左腕でしっかり一夏さんを受け止めます。それを見て私も箒さんの右手を離してセシリアさんと反対方向に上昇を開始。

「箒さん! 離脱を!」

『その間は私たちが抑えますわ!』

『そ、そんなこと!』

 箒さんの顔が映像を通して映し出されます。その顔は悲しさ、悔しさ、情けなさなど様々な感情が入り混じっているせいでいつもの凛々しさの欠片もありません。いつもなら私が折れるところですけど……

「一夏さんは今生身です! 私たちの音速飛行には耐えられません! 箒さんは一夏さんを頼みます!」

『庇いながら戦える相手じゃないのは貴方が一番ご存知でしょう!』

『くっ!』

 私とセシリアさんの言葉に箒さんが俯く。理解はしているけど納得は出来ない。そういうことでしょう。
 でもそれを了承できる状況でもありません!

「早く!」

『くっそぉ!』

 私の叫びに箒さんが一夏さんを背負うと海面スレスレをゆっくり離脱していく。
 それを待っていたかのように福音が海から矢のように飛び出してきた。

 エネルギー切れとは行ってもそこはIS。100km近い速度であっという間に戦闘区域から離れていきます。
 まあ……その約2,5倍の速度を出せるISを抑えないといけないわけですが!
 セシリアさんが既に福音の周りを高速で回転しながらレーザーライフルで牽制しています。それを避けた福音が箒さんたちの方向にブースターを吹かす。

「行かせない!」

 『スカイ・ルーラー』の各翼に設置された4つの5連装小型ミサイルポッド『シュライク』を一斉射し、20発のミサイルが福音のいる周囲の空間に爆発による弾幕を張る。
 近接信管と時限信管による弾幕は確実に福音の行く手を塞
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