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不可能男との約束
勇気の玉砕
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えば、トーリが言ったように何でもいいぜ。ありとあらゆる勢力、能力、人種、権力。それら全てを俺がぶった斬ってやんよ』

そんな馬鹿げた台詞を近くにいる葵姉が苦笑した。
それに直ぐに浅間が何事かを聞く。

「どうしたんですか喜美。シュウ君の狂った発言には、やっぱり喜美も苦笑しか出来ませんか?」

「勿論、それもあるけどね……だって、滅茶苦茶ホモ臭い上に、使い古された友情物語みたいなんだもの。ここまで徹底されると笑えてこない?」

「前者を否定できない事を嘆くべきか、悔しむべきか悩むところですけど、とりあえず、友情物語っていうのはどういう事ですか? 聞いたところ、ただのシュウ君の自惚れ語りなだけだったような気がするんですけど」

「Jud.格好つけの馬鹿の格好つけを外させるために言うけど、愚弟の発言……どう言い繕っても、やっぱり、世界に喧嘩売ろうぜ発言だったでしょ?」

「逆にどこが喧嘩を売っていない所があったのですか……」

非常に同感とその場にいる全員で首を縦に振った。
現に表示枠に映っている教皇総長は物凄い怒った顔で、二代に攻撃を続けている。本当なら、葵本人でしてやりたいんだろうけど、それを見逃すような二代ではないので、逆に二代が困っているという状況になっている。
あいつは味方を生贄に捧げるつもりか。
そう思ってると、苦笑を微笑に変えた葵姉がだからよ、と前置きを作って語った・

「そこでその後に愚剣が世界最強発言でしょ? 流石に愚弟の発言全部を振り払う事は出来ないでしょうけど───怒りの内、何割かは愚剣の方に向かったんじゃない?」

「あ……」

浅間の呆けたような声を聞きながら、確かにと内心で頷く。
そんな意図を込めて言ったのかどうかは、本人しか解らない事なのだが、結果としてそういう結果になったのは確かだろう。
あのまま行けば、悪印象を……とまでは行かないが、少なくとも葵に対して、何かを思う人間が出ないという事はあり得なかった。
それを熱田の発言がそう言った人間を二分したと思う。
別段、それで武蔵の評価が変わるわけではないのだが、そこは友人だからというわけなのだろう。

「となると、流石の熱田の世界最強発言は冗談という事になるのか」

すると、奇妙な事にそこで全員が私から視線を逸らした。
嫌な予感がしたので、直ぐに聞いてみた。

「……どうしたんだ皆。ここはうんうんと頷くところだと私は思うのだが……」

「いやぁ……そのー……正純? 非常に言い難いんですけど……」

何だよー……その不安になるような言い方は……。

もうちょっと安心させるような言い方で言って欲しいと切に願う。
せめて、仮初の安心感ぐらい欲しいじゃないか。
そして、結局爆弾が投下される。

「意図の方は
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