第12話
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破邪の洞窟の出入口でハドラーちゃんを待ち伏せる様ガルヴァスに命じられたデスカール達であったが、待てど暮らせどハドラーちゃんの姿が無い。
「……何時まで待たせる気だ?ハドラーお嬢様は」
ブレーガンの悪態を聞いてこっちまで不安になるメネロ。
「ねぇデスカール、この洞窟の出入口って、本当にここだけなの?」
対して、デスカールは平然と答えた。
「その点についてはコウモリ男とドラキーに調べさせている。自ずと答えは出るだろう」
が、メネロの不安は晴れない。
「本当にここで大丈夫なんだろうねぇ?」
そこへ、件のコウモリ男がやって来て、
「うむ、そうか」
「どうした?」
調査の結果、破邪の洞窟の出入口はやはりここだけだった。
「信用出来る情報なのかしら?」
破邪の洞窟が他の洞窟と繋がっていないとすると、ハドラーちゃんは何故破邪の洞窟から出てこないのか?
「まさか!……ハドラーはあの洞窟内で既に……」
その点に対しても、デスカールは平然と答えた。
「それはもっと無い」
「何故そう言い切れる?」
「先ずは、ハドラーが自殺する理由が無い事」
ブレーガンがデスカールの予測を疑う。
「何故そう言い切れる?」
「アバンと言う障壁以外は順調そのものだからだ。折角の好機をわざと捨てるバカはおるまい」
「そうかしら?ハドラーとか言う糞女は、カールを襲う際、堂々とバーン様に喧嘩を売ったんだよ。今頃、バーン様との力の差を知って―――」
「本当にそうなら、こんな所で1人寂しく自殺するより、どうにかこうにかバーン様に取り入る方法を探す筈だ。ガルヴァスの様にな」
デスカールにそう言い切られて返す質問が無いメネロ。
「そ……それは……そうだけど……」
でも、これだけ遅いとやはり2度と出てこないのではないかと不安になる。
「まさかとは思うが、ハドラーがあの洞窟の中で事故ッてって言う展開が!?」
確かに、今回のハドラー待ち伏せ作戦の1番の懸念はそこである。故に、
「その為にドラキー共にバルトスを見張らせている」
デスカールの言ってる意味がいまいち解らないブレーガン。
「何で其処でバルトスが出て来る?」
その点に対しても、デスカールは平然と答えた。
「禁呪法でハドラーに作られたバルトスは、ハドラーの死と共に滅びる定めだからだ」
「あー、なるほど」
で、結局、ハドラーちゃんが何故遅いのかの理由に辿り着けない3人。
なぜなら、ハドラーちゃんが破邪の洞窟を訪れた理由を失念していたからだ。もしかすると、ハドラーちゃんが破邪の洞窟に入った理由すら知らないのかもしれない。「堂々とバーン様に喧嘩を売ったんだよ」とまで言っておきながら……
で、肝心のハドラーちゃんはと言うと……
「ぐおぉー!」
りゅうおうもどきが凄まじい雄叫びと共に黒く輝く
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