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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第12話
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えず周囲を再度見回すが、
「他にぃ……罪人と呼べる人がいないけどぉ……」
「ではこいつだと言うのか?俺をこの部屋に呼んだのは?」
取り敢えず、ハドラーちゃんは片開き戸を宙に拘束している無数の鎖を覇者の剣で切断した。
拘束を解かれた片開き戸がゆっくりとハドラーちゃん達の眼前に降下した。
ハドラーちゃんもフレイザード2号も無言で息を飲む。
だが、謎の片開き戸の第1声はと言うと、
「いやー、あんさん達、ほんまおおきにやで」
謎の片開き戸のあまりのフレンドリーさにズッコケるフレイザード2号。
「さっきまでの神秘的な展開は何だったのよ?」
「あ奴ら……こんな物を恐れていたと言うのか……」
「あんさん、こんな物は酷いでぇ」
謎の片開き戸が勝手に自己紹介を始めた。
「わては異元扉と言います。わてを開けた人が往きたい場所にあっという間に往ける様になるちゅうのが、わての得意技ですわ」
「往きたい場所?」
ハドラーちゃんは一瞬、こいつを使って大魔王バーンを奇襲してやろうと考えたが、異元扉の逃走を阻み続けた3匹のモンスター達にすら苦戦していた今の自分にそれが可能かと不安になった。
「あんさん、それは辞めた方がええで」
ハドラーちゃんは一瞬ドキッとした。
「な!?」
「わては読心術やさかい、わてを開けた人が往きたい場所を言い当てる事が出来ますねん」
悔しい事だが、ハドラーちゃんは大魔王バーンへの奇襲を延期にした。
(このような奴に性根がバレる様ではな……)
「それと、わてを助けてくれたお礼のほんの1部や、ここから安全にあんさん達を出したるさかいな」
その言葉に、フレイザード2号は大激怒。
「来た道を引き返せないとでも?随分嘗めてくれるじゃない?」
フレイザード2号は極大消滅呪文(メドローア)を撃ちそうな勢いだったが、異元扉の一言がそれを制止させた。
「百合妊娠」
「えっ♪」
呆れるハドラーちゃん。
「……おい」
で、異元扉は説明を続ける。
「あの邪魔臭い3人をやっつけてくれたあんさん達の実力を疑ってる訳や無いけどな、この洞窟の唯一の出口であんさん達を待ち構えてる輩がおりますねん」
「待ち伏せ?この俺をか?」
ハドラーちゃんは一瞬アバンの事を考えたが、ハドラーちゃんが知るアバンは策士だが外道ではない。寧ろ、目的の為なら己を犠牲にする事すら出来る真の勇者だ。なら、アバンが待ち伏せはありえない。
そこで、フレイザード2号が先遣隊に立候補するが、
「今の体質のあんさんはもっとあかんて。あ奴ら、とんでもない卑怯を用意してますねん」
「なら、その真下に行ってその罠を極大消滅呪文(メドローア)で―――」
異元扉はフレイザード2号の提案を痛烈に否定した。
極大消滅呪文(メドローア)は炎と氷が相殺し合う時に発生する力
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