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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
【視点転換】帰還の為の免罪符-参-
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がいると聞きました。私達も一緒に行けば必ずお役に立て...」
「ダメだ!」
紫式部の言葉を真木は怒鳴って止めた。その声量、というより気迫に押されて声を失う。驚き、というのもある。先程までの飄々とした人柄とは全く結びつかない。しかしそれよりその怒りが恐ろしかった。
「ーっ!」
「君たちは、君たちは戦う人間じゃない!サーヴァントを召喚していても一般人なんだ!傭兵なんて変な職を名乗ってやってるやつとは違う!」
声を失って何も話せない、反論すら出てこない自分たちを真木は叩き込むように言葉を繋げる。
自分を変なやつと言っていることに気がついているか気がついていないのかはわからないが彼なりの心配なのだろう。
「正義感か何か知らないけど!そんなので生きてこれる訳が無い!帰れるわけがない!折角得た命を無駄に捨てようとするな!戦えもしないのに、戦えると思って!だいたい...」
今まで押し付けていたものが発散されたように放たれる言葉に殴られたように頭が揺れる。彼なりの心配か。とはいえ過剰な心配と言うよりまるで侮辱のようにも聞こえる。
「マスター」
それを制したのは彼のサーヴァントであるアタランテだった。彼女は真木のように怒鳴るわけでもなく、ただ小さく、低い声で彼を制した。
その声を受けた真木は恥ずかしくなったのか顔を一瞬赤く染めたあと迷彩服のフードで頭を覆い隠した。
「...ああ。すまない。アタランテ」
しばらくそのまま固まった後真木は顔も見せずに少しフラフラした後アタランテの方に寄り付くように歩きよってそう言った。
先程の気迫を見せた男とは思えない、弱々しい見た目に別の意味で声が出なくなる。横を見ると紫式部もポカンと口を開けてピクリともしない。多分自分も同じような顔をしていたのだろう。
「謝るのは私じゃない」
アタランテもアタランテでもうこのやり取り何度もやったというようにため息をついてこちらを指さす。
その頬は少し緩んでいて笑いを耐えているようにも見える。笑い事ではないが余程彼女はこのやり取りが気に入っているのだろう。吹き出そうとしているのをかなり頑張って耐えている。
「...全くもってその通りだ。悪かった。君たちのことを、侮辱した」
自分のサーヴァントがそんな顔をしているとは全く気がついていないのか真木はフードを取ってこちらに顔を見せる。真っ赤、という訳ではなかったが仄かに赤いところを残したまま落ち着いた表情で頭を下げてくる。
「い、いえ...私たちこそ失礼しました...」
先に落ち着いてその声に反応したのは紫式部だった。頭を下げた真木に譲るように半歩下がって頭を下げる。
そのままお互いになにかに慌てるように頭を上げるように促してまた頭を下
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