暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
困憊するあたしは、奴らを逃がす
[10/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

そして今、話をしていたところなのだけれど

「ああ、全ては俺の責任だ。」

大和さんは、責任は全部自分にあると言い出した。

「俺が奴の腕を斬り落とさなければ、まだ子供の魂を救えたかもしれない。他にやり方があったかもしれない。」
「大和さん!?待って!!」

全部責任を背負い込もうとする大和さんを止めようとする私。
しかし、

「葵ちゃん。」

武蔵さんに呼び止められる。

「いいの。これは大和くんと話し合って決めたことだから。」
「でもも何もあたしにだって…!」

あたしにも責任がある。
そう言おうとしたが唇に人差し指を当てられ、武蔵さんは黙って首を横に振った。

「全ては貴様のせい。お前が余計なことをしなければ、子供達は魂だけでも救えた。そう、言いたいのだな? 」
「ああ。 」

大和さんは躊躇うことなく頷く。

息が荒くなるアタランテ。
わなわなと震える手をギュッと握り、そのまま拳を振り上げると

「…いけません!!」

香子が止めようとする。
だが

「……。」
「……。」

その拳は、大和さんの顔面の寸前で止まっていた。

「…フーッ、フーッ…!!」
「俺は戦犯だ。殴った方が幾らか気持ちは晴れると思うが。」

緊迫した空気。
おろおろする香子。
武蔵さんはただ、そんな微動だにしない大和さんを黙って見つめている。

「いいや、やめておく。」

アタランテは拳を降ろした

「お前はお前で最善を尽くしたのだろう?これ以上犠牲が増える前に。そのような者を殴るなど私は御免だ。」
「…そうか。」

そうしてアタランテはこちらに背中を向ける。
だが、最後にこう言った。

「しかしここでの私の霊基はバーサーカーだ。今は抑えが効いているが、これ以上いられると怒りが勝ってしまう恐れもある。」
「だから早急に去れ。そういう事だな?」

大和さんの問いにアタランテは頷く。
理性が、ギリギリ勝ったのだろう。
本当は何かにぶつけたくて仕方がないはずだが、アタランテは堪えた。

「なら安心するといい、俺はもうここを去るし、訪れない。」

そんなアタランテを見て、大和さんは去り際にそう言い残して武蔵さんと共に去っていく。

「ちょっと待ってよ!大和さん!!」


あたしも彼らを追いかけるようにして出ていった。




「待って!!待ってってば!!」
「どうした?」

どこかへ行こうとする2人を止めるあたし。幸い、彼らは呼んだらすんなりと止まってくれた。

「いくらなんでも…大和さんが全部の責任を負う必要は…!」
「憎まれ役なら慣れている。怨みやヘイトを買うなら俺に任せておくといい。」
「でも…!!」

責任はあ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ