暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
困憊するあたしは、奴らを逃がす
[5/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
大和さん自身。
姦姦蛇螺に苦戦したのだろう。
ところどころボロボロだ。
しかし彼は相変わらずの涼しい顔をしながら、刀を天へと向けた。
「20分。それまでに殺す…!」
振り上げた刀を下ろし、切っ先を姦姦蛇螺に向ける。
その瞬間、空から雷が落ちてきた。
大和さんの攻撃…ではない。
その雷は道満や真誉に当たるのではなく、大和さんと武蔵さんに降り注いだのだ。
「…っ!!」
昼かと思うくらいの眩しさが辺りを照らし、思わず目を瞑ってしまう。
「何…今の…?」
そうして急な光に目が慣れ、周囲を確認するとそこには
「ええ、こんな外道陰陽師、二度と顔も見たくないものね!」
髪飾りを解き、その銀髪を風になびかせた武蔵さんの姿。
変わっているところと言えば、その瞳は大和さんと同じく紅くなっていた。
そして、そのマスターもまた
「葵、紫式部。下がっていろ。」
さっきまで全く感じなかった膨大な量の魔力。
これほどの魔力を…1人で生み出している?
さらに、余剰エネルギーみたいなものだろうか?
それらは紅い電流となって目から迸っていた。
「…ッ!!」
2人が地面を蹴る。
地面がえぐれる程のパワーをもって、その速さは目で追い切れないほどに速く。
「?????????!!!!」
姦姦蛇螺が吠える。
尾を振り上げ、範囲攻撃で見えない相手をあぶりだすつもりだ。
しかし、
「??????ーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」
その尾が、斬れた。
まるで歯が立たなかった頑丈な鱗で覆われたその太い尾が、いとも簡単に斬り落とされたのだ。
再び吠える姦姦蛇螺。いや、これは痛みで叫んでいる。
「…その気になれば、大したことないな。」
紅い稲妻を迸らせ、大和さんは追撃をかける。
身体能力だけじゃない。武器だって強化されてる。
先程は弾かれた散弾銃も、容易くその肉体を抉り、腕もバッサリと斬り落としていく
大和さんだけじゃない。武蔵さんもまた
「困りましたな。このままでは防戦一方。反撃の機会がまるで窺えませぬ。」
「当たり前じゃない。反撃できないようにやってるから、ねッ!!」
札で結界を貼ろうとするも、間に合わない。
何か手を打とうとすればたちまち斬られる。
逃げればその分追いついてくる。
殺気の籠ったその目は、迷うことなく蘆屋道満のみを見ている。
のらりくらり、へらへらとしていた武蔵さん。
だが戦闘時になればガラリと雰囲気が変わり、その実は命のやり取りに関してはとてつもなくドライな人間だった。
マスターもそうだ。
「急急如りつ…」
「させるか。」
トドメは刺されていないが尾は斬られ、腕も無くした姦
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ