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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
困憊するあたしは、奴らを逃がす
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目の前に表示される文字列。
こんな時に限って、泰山解説祭を用いて深層意識の中にいる菫が語りかけてきたのだ。
【前にも言っただろ?ボクは香子からたくさんもらって、お前は何か貰ったかって。こたえは見つかった?】
「今は…そんなことに答える場合じゃないんだ…!!」
【いいや、あるね。】
目の前の文字列を払い除け、あたしは突き進む。
「ンンンンンンンン〜?もしや喧嘩の真っ最中ですかな?」
「うるさい!!!」
「ええ、ええ!ならば心優しきこの蘆屋道満、仲裁に入ってあげましょうとも!」
次の瞬間だった。
またもやあの鞭が振るわれる。
そうして迎撃しようとした時だった。
「…!!」
しなる鞭はあたしを攻撃するのではなく、拘束した
「なに…これ…!」
瞬く間に四肢を拘束され、その場から動くことが出来ない。
力を込めて引きちぎろうとするも、出来ない。
【無理だろう?でもボクなら引きちぎれる。変わりなよ。それと認めなよ。主人格がどっちなのか。心の奥底で眠るべきなのは誰なのか。】
「だから…うるさいって言ってるだろ!!」
払い除けられない文字列が、いやでも視界に入ってくる。
認めろ、変われ、
主人格はあっちだ、切り捨てられるのはお前だ。
そうしている間にも、道満はニタリと笑いながらどんどん近付いてくる。
「すごいね〜。葵ちゃん、心が二つあるんだ。」
「正確には二つに別れた、と言うべきでしょうな。彼女が切り捨てたエゴ、欲望…負の側面の具現化。いわばそう……
アルターエゴ≠ニ同じ。」
目の前で、道満が止まる。
「さて、その身体は相応しい者に譲り渡しましょう。」
奴があたしの顔を掴むべく、その手を伸ばす。
「だめです!!」
しかし香子がそうはさせなかった。
「おやおや。」
道満の伸ばした手に呪いを込めた文字の弾が命中する。
ボコボコと膨らみ、爆ぜたものの奴は涼しい顔のままだ。
しかし、
「はい、そこまで。」
予想外の横槍。
武蔵さんが道満の懐に飛び込んできた。
「外道の
腸
(
はらわた
)
、此処で晒せ!!」
「おぉっと!?」
すんでのところで奴はかわすも、腹部には切り傷。
そこから血が伝って流れた。
「ほぉ?マスタァを放って拙僧と戦うのですかな?いささか無謀では?」
「無謀?違うわね。」
そう言いながら武蔵さんはあたしを拘束する布を斬る。
「勝てるから、こうしたの。」
「…!」
その時だ。
ピリピリした空気が漂い始める。
これは…魔力だ。
辺り一帯に魔力が溢れだしている。
発生源は…
「お前達の顔も見飽きた。お遊びもここまでにしよう。」
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