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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
困憊するあたしは、奴らを逃がす
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「血が出る。なら俺達でも充分に殺れるぞ。武蔵。」

次の瞬間、あたし達の隣にいた武蔵さんが消える
いや、消えたんじゃない。化け物目掛け急接近したんだ。
瞬きをしたその時にはもう、刀を抜いて姦姦蛇螺の懐まで飛び込んでいたのだ。

「じゃあ、現代の都市伝説が生み出した怪異、斬ってみましょうか!!」
「ああ。」

武蔵さんの一刀が、姦姦蛇螺の身体を傷付ける。
これは、明らかにダメージが入ってる。

「へぇ…一応は神霊の類らしいけど、式神にされて明らかにランクがダウンしてるのね。」

続けざまに斬る。斬る。さらに斬る。

「だったら尚の事!!斬る!!」

襲いかかろうとした爪が、叩き斬られる。

痛みに悶絶する姦姦蛇螺。

さて、武蔵さん大和さんは彼女の相手をしている。
ならあたし達は、

「じゃあ葵ちゃん!そっちはあの外道陰陽師をよろしく!!」

あの二人をぶん殴る。

「紫式部!!」
「はい…!」

その声とともに身体に力が漲る。
地を蹴れば、予想以上に飛ぶ。
ありったけのバフを盛られたあたしは、凄まじいスピードであの二人に突っ込んだ。

「おや。」

道満が迎撃の為に札を投げる。
だけどこの程度どうって事ない。
次々にやってくるそれを裏拳、キックで確実に叩き落としていく。

遅い。それにこの弾幕は薄い。
なら…!

「ッ!!」

後ろ目掛けてキック。
するとやはり、あたしの脚は何かを弾いた。
道満の札はあくまでブラフ。本命はこれ。
それは黒い布状の何か。
鞭のようにしならせ攻撃するそれは間違いない、真誉だ。


「あーあ。残念。楽に死ねたのに。」
「そんな見え見えの罠に…引っかかってたまるか!!」

答え合わせのように彼女がそうぼやく。
うるさい。ライブの時もさんざん殴ったけど、まだ殴られ足りないか。

だったら覚悟しろ。
その腐った性根を徹底的に叩き直してやる。
もっとぶん殴ってやる。

握る拳に力がこもる。
踏み込む足に体重が掛かる。
駆けるあたし。
次に真誉が呼び出したのは黒い影のような使い魔。

あの鞭も、この使い魔も、全部そうだ。

「式神も道満譲り、結局は…真似事しか出来てないじゃんか…!!」
「…。」

近付けた。
この距離なら、やれる…!

「と思いましたかな?」

その時だ。
真誉を庇うようにして道満が前に出る。
指を伸ばし、手刀であたしを貫こうとするも、直前でガードして腕を若干掠る程度で済ませた。

「ッ!」
「式神も拙僧譲り、魔術も真似事。違いますなそれは。」

殴ろうとするも受け流され、その横っ面にキックを叩き込もうとするも掴まれてしまう。

「あくま
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