第132話『忠告』
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る。2人は晴登と共に午前シフトだったので、午後が自由行動だ。
狐太郎は両親に会ってくるとは言っていたが、まさか伸太郎は1人で文化祭を回っていたのだろうか。それなら誘えば良かった……って、そういえばあの時は不機嫌だったから誘いにくかったのだった。
「でも今なら良いよね。聞いてよ伸太郎、狐太郎君がさ──」
「魔術部に入ったんだろ?」
「あれ……?」
時は来たと、もったいぶって衝撃の事実を伸太郎に突きつけようとしたところ、逆にしてやられて呆気に取られてしまう。
狐太郎を見ると、「あっ、言っちゃいけなかった?」と言わんばかりに両手を口に当てていたので、どこから情報が漏れたのかは察した。
「ご、ごめん晴登君。さっき会った時に言っちゃって……」
「いやいいよ。伸太郎を驚かせられなかったのは残念だけど……」
「いや、十分驚いたけどよ。薄々気づいてはいたが、やっぱり魔術のせいだったんだな」
「そうなんだよ……って、え? 気づいてたの?」
「そりゃ普通に考えておかしいだろ」
「普通に、考えて……そうだけど……」
サプライズに失敗し、がっくりと肩を落としていると、伸太郎からの追い討ちの一言を喰らい、さらに項垂れる。
いつも思うのだが、重要なことに晴登だけ気づいてないパターンが多すぎやしないだろうか? 自分の勘の悪さが嫌になってくる。
「それで? 何でそんな話になったんだ?」
「あ、それはね、かくかくしかじかで──」
傍から見れば、晴登と狐太郎は急に喧嘩を始めた挙句、仕事を放棄して教室を出て行ったのに、帰ってきたら仲直りどころかさらに親しげにしていたのだから、疑問符が浮かぶのは当然である。
なので、晴登と狐太郎が最初から順を追って説明した。
「……おぉ、結構ヘビーな話してたんだな。悪かったな、何も知らずに怒っちまって」
「気にしないで。元はと言えば僕が蒔いた種だった訳だし」
「そこまで自分を悪く言う必要ないって。そういえば、あの後両親には会えたの?」
「うん! 久しぶりで緊張したけど、やっぱり僕はお父さんとお母さんが好きみたい。もう迷惑かけないように頑張るよ」
「それは良かった」
狐太郎と彼の両親の間にあったわだかまりはもう完全に解消したようだ。身勝手だったが、結果的には世話を焼いて良かったと思う。
狐太郎は自分の役割に戻り、同様に伸太郎も持ち場に戻ろうとしたところで、
「待って。他にも伸太郎に相談したいことがあるんだけど」
「まだ何かあるのか?」
結月や刻にはまだ話せないが、難しい話をする上で信頼できるのが伸太郎だ。さっきアーサーから聞いた話を伸太郎にだけは先に共有しようと
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