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魔王の友を持つ魔王
§72 これだから陽の者は……
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ドに連絡して護堂と協力ヨロ」

 仮にランスロットが来るならばグィネヴィアも来るだろう。先ほどの会話からしてアレクの参戦も確定だろう。そうなれば大惨事は免れない。力を割くべきはこちらだ。

「ダヴィド……って貴方、彼と知り合いなの!?」

 まさかの名前に驚くエリカ。その様子に黎斗もちょっぴり驚く。彼はエリカの知り合いだったのか。
知り合いだからカンピオーネの偉大さを知っていたのか。

「それで拗らせちゃったのか……護堂……罪な男……」

 護堂に性癖を狂わされてしまったのか。男も攻略するとは恐ろしいやつだ、などと苦笑して。

「おい勝手に胡乱な事言い始めるなお前!!」

 慌てて文句を言い始めた護堂はスルーして。

「待ってれーとさん、恵那もそっちに」

 一緒に行くよ、と続けようとした恵那を静止する。

「気持ちは嬉しいけど、僕一人で十分……というか一人でしか行けないんだ。権能で転移するから」

「はぁ!?」

 義母(パンドラ)も性格が悪い。こんな便利な権能もあったなら一言教えてくれればいいのに、と苦笑して。さっき目覚めた権能を発動。大体の場所を教えてもらえば、それで十分。瞳を閉じて、その周囲を見る(・・)

「……見ぃーつけた。じゃ、留守はよろしくね」

 その言葉を最後に、景色が歪む。

「僕は見つけた。故に存在を肯定する」

 怠惰の魔王、ベルフェゴール。世界中を巡り巡って存在しないものを証明した悪魔。故に、世界の移動も、存在の証明も、お手の物−−−−!!

「と、いう訳で。はいどーーん!!!!」

「ガッーー!!??」

 相手の頭に転移し、剣を叩きこむ。一瞬で剣が砕けるも構うことはない。次の剣を取り出し再び叩き込む。幸いなことに前回と違い相手の身長は数m程度。まだ本調子ではないようだ。間に合った。

「重畳重畳。借りを返しに来たよ。ここで決着をつけようか」

 飛び降りるついでにもう一閃。首を斬り飛ばす。

「貴様ッ……何故、此処にッ……!?」

 いきなり首を切断され、再生するも動揺を隠せない魚神。こちらは一柱の権能しか持たない身。なれど、二度目だ。油断などない。

「−−−−今度は、ここで仕留める」

 ワイヤーが宙を舞い、魚人の身体を斬り刻む。怒りに顔を歪める神と、相対するのは嗤う魔王。
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