§72 これだから陽の者は……
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「お前もそんなことあるんだな……」
ドニに斬られて権能が復活したのもつかの間の話。時間経過で封印が復活してしまい子供化した黎斗。アパートへ帰る道中で彼と情報共有をした護堂の第一声がコレである。キレていいだろうか? 人をなんだと思っているのだか。
「いやだってお前……今まで窮地らしい窮地もなく、なんだかんだ飄々とここまできてただろ?」
だからそんな厄介なことになってるとは思わなかったんだよ、と続けた護堂。なんだそれ評価が高すぎる。他人を評価できるもの……それ即ち陽の者。自虐とネタしか出来ぬ陰キャ(じぶん)の遥か高みに位置するもの。
「くっ……イケメンで運動出来てモテて強いとか化け物かよ。せめて性格くらいは悪くあれよ!!僕が惨めだろ!!」
「何言ってんだおまえ」
「貴方卑屈すぎない???」
「前半は兎も角、お前が強いと言っても皮肉か謙遜にしか感じないぞ」
半眼の護堂とエリカとリリアナ。
「解せぬ」
「そこは解せよ」
呆れ顔のイケメンが腹立たしい。顔にパイ投げつけてやろうか。残念ながら投げつけたところでパイは届かないのだけれど。呪力がみそっかすで子供状態なのが恨めしい。
「そういえばドニのやつに封印斬ってもらったんだろ? なんで封印復活してるんだ」
「僕が知りたい」
少しずつ封印が復活してきている感覚があった。ということは封印の権能が再生したということだろうか。どういうことだ。
「権能切れないとか……所詮この程度か」
ドニには感謝しかないが、それはそれこれはこれだ。理不尽の権化がカンピオーネなら権能くらい斬っていただきたい。剣の王の名が泣くぞ。
「じゃあお前出来るのかよ」
テンポ良い護堂の返しにぐうの音も出ない。
「ごめんなさい調子に乗りました。そうだよね! 剣で斬られる程度の能力だったら権能なんて呼べないもんね!」
「うわ……」
即座に意見を翻したのが予想外だったのか、護堂の顔が引き攣った。
「お茶持ってきたよー。……れーとさん、情けない真似やめない?」
来客用のお茶を出しに来てくれた恵那が微妙な顔で追撃。エリカとリリアナも困り顔なのが申し訳ない。
「てゆーかさ。もしかしてカグヅチの権能使えば焼き切れたんじゃなかろうか」
分断する権能だ。ワンチャンどころか普通に行けたのではないだろうか。しかも自前の権能なので封印が再生始めたらまた分断すれば良い、というか再生という概念ごとぶった切ればいいではないか。
「試して無かったのかよ!!!!!! お前は馬鹿か!!!」
「ホントだよ!!!!」
護堂と二人合わせて叫ぶ。まるでコント。
「あなた達仲良いわねぇ」
「こうも五月蠅いと
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