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渦巻く滄海 紅き空 【下】
八十二 英雄
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を庇うようにして空中から下りてきたウタカタによって守られた。
里を壊滅するほどの攻撃を何等かの手段で防いでみせたウタカタを、気を失っているエビスを庇いながら木ノ葉丸は見上げる。

「無事か」
「あ、ありがとうだぞコレ…」

戸惑いながらも安否を気にしてくれたウタカタにお礼を返す。
これだけの力があれば…そうこれだけの力があれば、木ノ葉の里を襲撃してきた『暁』にも、そして今し方里を壊滅させた存在にも負けないだろう。

そう期待を込めた眼でウタカタを見上げた木ノ葉丸は、直後、裏切られた。


「ではそろそろ我々はお暇させてもらうとするか」
「え、な、なんで!?戦ってくれないのかってばよコレ!?」

思わず、尊敬する波風ナルの口調で引き留める。
焦る木ノ葉丸にウタカタは心底不思議そうな顔を向けた。


「何故?」
「な、なぜって…」
「何故そこまでして木ノ葉に義理立てしなくちゃならん」


地獄道の攻撃から助けてくれた。そして今し方の凄まじい攻撃からも守ってくれた。
だから引き続き木ノ葉を助けてくれるものだと思っていた。

だが確かに彼は木ノ葉の忍びではない。何処の誰かもわからない忍びに里の危機を救ってもらえると思い込むのは身勝手だ。

けれどこの危機的状況を打破してくれる唯一の希望を失って絶望する木ノ葉丸に、ウタカタは「それに」と言葉を続けた。



「お前達の英雄はそこにいるだろう」



ウタカタに促され、木ノ葉丸は穴が開いた里の中央を見た。ちょうど白煙が消え去り、中から現れた人影に顔を輝かせる。
安堵の息をつく木ノ葉丸はもうウタカタの声など聞こえない。



「我々の役目は終わった。あとは木ノ葉の英雄に託すとしよう」


ただ、尊敬する大好きな英雄をまっすぐに見つめる木ノ葉丸の耳には届かなかった。






















「そうか…お前は仙人を…自来也先生と同じ術を身に着けたようだな」


少し手合わせしただけで波風ナルが仙術チャクラを使っていると看破した天道が淡々と語る。
その内の言葉のひとつにナルは片眉を吊り上げた。

「自来也…先生、だと?」

自分の師匠を先生と呼んだ目の前の敵に、ナルの動きが止まる。
彼女の動揺と戸惑いを感じ取った天道は、せっかくの隙をあえて無視して、話を続けた。

「自来也は俺のかつての師…つまりお前にとって俺は兄弟子にあたる」
「…っ、」

衝撃の事実に息を呑むナルを、天道は静かに見つめた。

「同じ師を仰いだ者同士、理解し合えるはずだが…」
「……な、なんでっ、エロ仙人の弟子がなんでこんなことをするんだってばよ!?」

木ノ葉の里を壊
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