第二章
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「夜更かししてたのね」
「そうよね、けれどそれがどうしたの?」
「だから三戸が出るとね」
寝ている間に身体からというのだ。
「神様に行い、悪いことを言うのよ」
「そうするのね」
「それで寿命を縮めさせるのよ」
「それは厄介ね」
「だからね」
そうした妖怪がいるからだというのだ。
「その日は寝ない様にしないと駄目らしいのよ」
「そうなの」
「それでその日が何時か調べたら」
そうすると、というのだ。
「これが近いのよ」
「そうなの」
「だからその日の夜は寝ないでいない?」
「私もなの」
「信長さん達みたいにパーティーやって」
そうしてというのだ。
「夜更かししない?」
「パーティーしたいだけ?」
未央は芽衣の話をここまで聞いてこう言った。
「芽衣ちゃんが」
「そう言うかも知れないわね」
「否定しないのね」
「いや、実際最近あんたと飲んで食べてないし」
だからだというのだ。
「ここはね」
「一緒になのね」
「夜更かししない?」
「パーティーして」
「私も最近芽衣ちゃんと遊んでないと思ったし」
未央もまんざらでないという顔と声で応えた。
「それじゃあ」
「ええ、一緒にね」
「パーティーしましょう。ただそれなら」
未央は芽衣にさらに言った。
「お隣の奥さん。高橋有里さん最近ご主人が長期出張でマレーシアに行っててお子さんもおられなくて」
「寂しいのね」
「だから」
そうであるからだというのだ。
「よかったら」
「この人もなのね」
「私がお誘いかけるから」
だからだというのだ。
「三人でどうかしら」
「いいわね」
芽衣は笑顔で応えた。
「それならね」
「ええ、じゃあ出来たら三人でね」
「パーティーしましょう」
こう話してだった。
その日芽衣が未央の家に学校から帰り夕食と入浴を済ませてから行くと未央に隣の部屋に案内された、そこに入るとだった。
有里がいた、見れば。
長い茶色の波がかった髪の毛を右に垂らし黒目がちの大きな目で眉は細く色白で優しい顔立ちである、背は一六五位で均整の取れたスタイルだ。青のセーターと白のプリーツスカートといった格好である。
その有里がだ、芽衣を見て未央に言った。
「時々見る娘ね」
「同じ棟ですから」
「あら、そうだったの。私去年の暮れにここに入ったばかりで」
「あまり、ですか」
「この棟のこともまだ知らないことあるから」
「芽衣ちゃんのこともですか」
「あまり知らなかったわ」
そうだというのだ。
「時々見る娘だってね」
「思われる位で」
「それでね」
そうであってというのだ。
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