勝者は・・・
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まれたことにより出てきたものなのか、はたまたまだ何か秘策があるがゆえのものなのか、判断することができなかった。
シリルside
「天神の舞!!」
「ハァァァ!!」
水圧も関係ないほどの竜巻を起こすシェリアとそれを見事に回避しながらまるで陸上を走っているかのようなスピードで接近してくるエルザさん。
しかし俺はそれを難なく回避する。もちろん酸素の消耗は激しいけど、それでも二人の攻撃は先程から一度も捉えていない。
『シリルたん防戦一方!!さすがにシェリアたんとエルザ相手では厳しいか!?』
なかなか反撃に出られていない姿を見てそんな解説が聞こえてくる。確かに俺は二人がかりになってから一度も攻撃を繰り出せていない。いや、正確には―――
「天神の・・・」
右腕に黒い風を纏わせ追撃に入るシェリア。エルザさんの攻撃直後だったこともあって彼女はすぐ目の前へと来ている。だけど・・・
(今だ)
それが俺の狙い。二人は元々接近戦を得意としてくるタイプ。必然的に近い距離での戦いになる。おまけに二人が協力して攻めてくるとなればできるだけこちらに反撃の余地を与えないように次々に魔法を繰り出せるようにしてくるはず。
まともにやれば反撃することもできずに酸素切れになるところだけど、二人はそもそもお互いのことをよくわかっていない。そんな状態で完璧な連携が続くわけない。現に今、シェリアの攻撃のカバーをエルザさんができていないこのタイミングなら、俺にも反撃することができる!!
「ぷっ」
「いだっ」
そう思い立つとすぐさま俺は咥えていた酸素魔水晶をシェリア目掛けて放った。
レオンside
「は!?」
シリルの口元から吹き出された魔水晶はシェリアのおでこを確かに捉えた。しかし、その行動に俺たちは困惑するしかない。
『なんだぁ!?シリルたん突然酸素魔水晶を吹き出しました!!』
『カウントに入るカボ!!』
ルールに乗っ取りシリルの脱落へのタイマーが起動される。このままいけば予定通りシリルが三位からのシェリアとエルザさんの一騎討ち・・・なんだけど・・・
「シリルはもう一個魔水晶を持っていたはず・・・」
リオンくんの言う通り、シリルはまだ酸素を持っている。先程自ら手放したそれを追いかけないところから見るに、あの魔水晶は酸素切れで騙し討ち的に使ってきたんだろう。
「モード竜魔!!」
たぶんすぐにでも新しいものへと変えるだろうと思っていた矢先、彼はそんな素振りも見せることなく天空魔法を纏わせると
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