勝者は・・・
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たちは彼らが何に気が付いたのか皆目検討もついていない様子。
「なんだよ、どういうことだよ」
「それがどうしてシリルを攻撃することに繋がるんだよ」
ジェットとドロイが問い詰めるように声を荒げると、アルザックが代わりに説明し始めた。
「もしここでシリルが負けたら、二人とも一位になれる可能性が十分に出てくるんだよ」
「「「「「!!」」」」」
シリルが負けることによって得られるメリット、それはこのフィールドで絶対的な力を発揮できるであろう少年がいなくなれば、二人ともより高い順位での競技終了が狙えるからだった。
「そうか!!シリルがここで落ちれば実力的にはエルザが一位になれる!!」
「けど、残り時間も少ないからシェリアは酸素の消耗を減らして逃げ切れば一位になることも可能ってことか!!」
全員が理解すると同時にこの異常事態の辻褄が合うことに納得する。そしてこうなってくると状況は一気に変わってくるのだ。
「三人ともさっきの戦いで消耗してるから酸素の消費が早い。おまけに二人を相手にするとなればシリル兄でも大きな酸素の消費は避けられない!!」
その言葉の通り、二人に攻められているシリルの口から溢れ出る酸素の量は次第に増しているのが遠目からでもよく見えていた。
レオンside
「やっぱりこうなるのか」
「だろうな」
「オオーン」
次々に換装を繰り出す緋色の剣士とそれに合わせるように強烈な風を繰り出し続ける少女の前に防戦一方になっている水の竜。ただ、こうなることを予期していた俺たちには驚きはない。
「ただ、残るのがエルザか」
「それがネックだよね」
シリルを倒した後に残るのがエルザさん。正直シェリアとエルザさんだと普通に戦えば後者が勝つのは間違いない。
「シェリアも強いよ!!」
「キレんなよ」
トビーの怒りもわかるけど、正面から戦ったらまぁ普通に負けるだろう。ただ、これは大魔闘演武の競技パート。普通のバトルじゃない。
「酸素量ならシェリアの方が有利かな」
エルザさんは恐らく今咥えている魔水晶の酸素しかないはず。それはほぼ満タンの状態から入手しているはずだからまだまだ中身は残っているだろうけど、シェリアはディマリアから満タンではないものの二つの魔水晶を奪っている。仮にシリルの魔水晶をエルザさんに取られても、まだリードしているはずだ。
「あとはどれだけ時間が―――」
タイマーに目をやろうとしたその時、俺はその動きを止め、視線を元の位置へと戻していた。
「なんだ?」
絶対絶命の状況のはずなのに、なぜか口元を緩ませているライバル。彼のその笑いが追い込
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