勝者は・・・
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からか)
序盤に四つ首の番犬から奪った魔水晶もたった今セレーネさんから手にした魔水晶も空気は十分に残っている。残り時間を戦いながらでも酸素は持つはず。他の二人の酸素量次第では消耗戦に持ち込むことも可能だけど・・・
ゴボゴボッ
頭を使っているせいか、水中で戦っているせいで疲労が普段よりも増しているせいか、気泡の量が増えている。ただ、そんな中俺は二人が一瞬目を合わせたことに気が付き、違和感を覚えた。
「なんだ?」
全員が敵であるこの状況、三人とも自分以外の二人を視界から切らないようにしていたように見えたのに、一瞬だけ二人とも俺から視線を切って目を合わせていた。それの意味がわからず動こうか迷っていると、先に動いたのはその二人。しかも彼女たちはまるで合わせたように俺へと突っ込んできたのだ。
「うわっ!!」
思わず回避行動を取る。間一髪で交わしたことで三人でのバトルロワイヤルが始まるかと思ったが、二手に分断してこちらを挟み打つようにしている彼女たちを見て、全てを理解した。
「悪いな、シリル」
「これが一番得策だからね」
そう言った二人の視線は俺にしか向けられていない。ようやく状況を把握した俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
第三者side
「なんじゃ!?エルザは何をしておるんじゃ!?」
同じギルドであるシリルをシェリアと共に挟み撃ちにしている女剣士を見て困惑の声を発するマカロフ。それは妖精の尻尾全員が感じていたことを代弁したものだった。
「なんでシリルと一緒にシェリアを倒す選択を取らないわけ?」
「漢・・・じゃないよな?」
「何を考えてるの?エルザさんは」
彼女のこの選択に応援席で見ていた面々はざわついていた。それは仲間であるものだけでなく、全ての観客が同じリアクションをしていた。
「なんとなくそんな気はしてたよ」
「ロメオ?」
その中で一人だけ冷静にことを見ていたのは今挟み撃ちにあっている少年と同年代の人物。彼は二人に攻撃を繰り出されている少年を見ながら自身の考えを述べた。
「エルザ姉とシリル兄が協力すれば確かにシェリアは倒せるけど、このフィールドじゃあエルザ姉でもシリルに勝てるかわからない、つまり二位がほぼ確定しちゃうんだ。対してシェリアはここで二人にやられると三位になってそれ以上どうしようもできなくなる。でも、ここで二人が協力するとどうなる?」
「あ」
ロメオの解説を聞いて彼が言いたいことに真っ先に気付いたのはアルザックだった。それと同じくして数人はこの事態の原因に気が付いたが、まだ気が付いていないもの
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