魔力量
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も、彼女には人心掌握にたけた魔力が残っている。
それは、彼女よりも魔力が遥かに少ないウィザードの魔法を大幅に弱める効力を発した。
「何……っ!?」
魔法陣がみるみるうちに小さくなっていく。このままアウラの効力を受け続ければ、間違いなく魔法は消滅してしまうだろう。
「ぐっ……!」
ウィザードは魔法陣に当てている右手に左手を重ねる。より氷の魔力を込めるが、それでもアウラによる魔力制限には敵わない。
「魔力で私に勝てるわけないじゃない。そんな微差程度の魔力変化で」
アウラは笑みを見せたまま、ウィザードへ再び手を伸ばす。
ウィザードの体を簡易的にでも乗っ取ろうとしているのだろう。
だが。
「フロストノヴァ!?」
突如として、ウィザードの背に置かれる手。
フロストノヴァが、ウィザードの体にその冷気を注ぎ込んでいた。それは、ウィザード自身の水と氷の魔力と共鳴し合い、瑠璃色の体に白い冷気が帯び始めてもいた。
「同じ氷の能力なら、私の力を合わせられる……!」
「フロストノヴァ……あなた、聖杯戦争のルール忘れたの?」
「お前が生き残るより、ウィザードが生き残った方がまだ良い」
フロストノヴァの冷気が、次々にウィザードの魔力に重ねがけされていく。
二つの氷の累乗効果により、ウィザードの魔力は一時的に爆発的な増加を見せる。
「これは……!?」
果たしてそれが、アウラの莫大な魔力に匹敵するかは分からない。
だが少なくとも、目の前のキメラのゾンビを圧倒するには十分な量になっていることは間違いないようだ。
キメラの全身は次々に凍り付き、体を震わしながらも白く染まっていく。
「!?」
それは流石のアウラも危機感を覚えたのだろう。
彼女は慌ててその場を飛び退き、氷の波の射程圏外へと避難する。
同時に氷は、キメラを一気に氷の牢獄に閉ざす。
「……お前が何者なのか、何でこんなところでそんな姿でいたのかは知らない」
ウィザードは静かに、仮面の下で目を閉じる。
「ただ一つだけ。眠ってくれ。どうか、安らかに……」
『チョーイイネ スペシャル サイコー』
続けて発動する魔法。
ウィザードの腰に青い魔法陣が発生する。それは、ドラゴスカルを召喚した魔法と同じように、青いドラゴンの幻影が魔法陣より召喚され、ウィザードの周囲を旋回する。
幻影が再びウィザードの体に吸収されると、その腰に巨大な尾が召喚される。黒く雄々しい尾は、その力を示すかのように力強く地面を叩いた。
「はあああああああああああっ!」
ウィザードは氷の上を滑り、一気にキメラへ肉薄。
同時に体を大きく捻り、その尾を強くキメラの氷像に打ち付ける。
氷と一
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