第二章
[8]前話
「そうしたらです」
「連れて行けってなったんだね」
「そうなりまして」
実際にというのだ。
「実際にです」
「連れて来たね」
「はい」
笑顔での返事だった。
「こうしたところに連れて来て見せて経験させるのも教育だからって」
「そうだね」
「それで連れて来ました」
「君のお兄さんはね」
部長は中条の兄の話もした。
「同じ学部でね」
「兄貴が後輩で」
「色々一緒にやってきて」
「義姉さんもですね」
「僕の従妹だし」
「縁がありますね」
「従妹の娘だし」
青空を見て言うのだった。
「やっぱり可愛いよ」
「そうですね」
「じゃあ青空ちゃんもね」
主任は自分から見ても親戚である彼女に笑顔で優しい声をかけた。
「楽しんでね」
「うん、そうするね」
青空は笑顔で応えた。そうしてだった。
中条それに主任と一緒に遊んだ、その光景を見てまさかと思った同僚達はほっとして話したのだった。
「よかったな」
「そうよね」
「親戚の娘だったのね」
「ロリコンじゃなかったんだ」
「若しやと思ったけれど」
「そうじゃなくて」
「本当によかったわ」
こう話していたがそこにだった。
主任が来てだ、こう言った。
「そういった噂話はよくないよ」
「そ、そうですね」
「誘拐とかロリコンとか」
「そうしたお話はですね」
「よくないですね」
「本当にね」
「そうだよ、変に推測して言うことは」
それはというのだ。
「よくない、だからまずは事実を確かめる」
「それが大事ですね」
「噂話をするより」
「そうすべきですね」
「噂は時としておかしなデマにもなるから」
その危険があるからだというのだ。
「言うものじゃないよ」
「気をつけます」
「まずは事実かどうか確かめます」
「そうします」
中条の同僚達も頷いた、そうしてだった。
彼等は噂話を止めた、そのうえで姪である青空を可愛がる中条を見た。そこに疚しいものは何もなく肉親への愛情があるだけだった。
ロリコンじゃない 完
2024・3・17
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