第二章
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「通ですか?」
「いえ、違いますけれど」
果南は親父ににこりと笑って応えた。
「好きなんで」
「それで、ですか」
「バッテラも」
こちらもというのだ。
「お願いします」
「大阪名物だけれど」
ここで義也も言った。
「そういえば最近」
「あまりないでしょ」
「そうだね」
「けれど私好きだから」
果南は夫にも話した。
「それでなの」
「注文するんだ」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「いただくわ」
「バッテラも」
「それで他のネタもね」
「いただくんだね」
「そうするわ」
「それなら僕も」
夫も言った。
「ここのお寿司美味しいし」
「滅茶苦茶美味しいわね」
「うん、だからね」
それでというのだ。
「是非ね」
「どんどんいただきましょう」
「そうしよう」
夫は鮪を食べつつ言った。
「それで音葉も」
「うん、私納豆巻きね」
これをとだ、娘は答えた。
「次もらうね」
「納豆だね」
「納豆好きだから」
「うちは全員好きだね」
「納豆も定着しましたね」
親父は納豆巻きと聞いて笑顔で言ってきた。
「そうなりましたね」
「昔は違ったんでしたね」
「私が子供の頃は」
義也に笑顔のまま話した。
「食べる人なんて」
「こっちじゃ少なかったですね」
「そうだったんですが」
それがというのだ。
「今じゃですね」
「定着しましたね」
「はい、それじゃあお嬢ちゃんは」
「納豆お願いします」
「今から握るね」
こう言って果南が注文したもの、バッテラも含めて握って納豆巻きもそうした。そして夫の分もだった。
握っていった、一家は食べ放題を満喫した。そして勘定を済ませてから親父に一家で言ったのだった。
「ご馳走様でした」
「美味しかったです」
「有り難うございます」
「毎年期間限定ですが」
それでもとだ、親父は一家に答えた。
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