第22話:どうしてこうなった
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えぇー!?何で鳴らないのぉー!
「……で……この世界に来た目的は?」
「転生寺にある大仏様に某に誉高い討死をさせてくれる強敵を望んでおったのですが、気付けはこの世界におりました」
……
鳴らないぞ。
「その後、ノノ殿と出会い、ノノ殿にマモノの存在を教えられ、ノノ殿に案内された神殿に有った刀を失敬させて頂きました」
……
鳴らないぞおい!
「誰かぁー!鑑定紙をぉー!」
「それよりも、そろそろ本題に入らぬか?」
「本題……とは?」
「某が何故あの者達を斬り捨てたかです。お主はそれを聞きたかったのでは?」
ヤバい……完全に相手のペースだ!
「話は永くなり申すが……どこから話せば良いのか……ま、発端はノノ殿が下したセイン殿への評価とセツナ殿が下したセイン殿への評価が真逆になってしまった事です」
……
鳴らないか。
「で、実際のセイン殿はどの様な人物かを訊き出す為にこの国に来たのですが、ノノ殿がセイン殿の素晴らしさをセツナ殿に説明してくれとその者達に頼んだのです」
……
魔導具は鳴らない。
「そしたら突然ノノ殿がその者達に殴られたのです」
……
鳴らない!これってつまり!
「先に手を出したのはお前が殺した男性の方か!?」
「その事が今回の事に何の意味が有るのです?」
「何でって!……正当防衛が成立するかもしれんのだぞ」
「正当防衛!?某を見縊らんで下され!某はその様なモノに縋る気はござらぬ!」
……
……鳴らない……何なんだこいつは……
「貴様にとってはそうかもしれんが、こっちは死活問題なのだ。だからもう1度訊く、先に手を出したのは……どっちだ?」
「……ノノ殿が殴られたうえに向こうが先に刀を抜いたので、某も刀を抜いた。それでよろしいか?」
……
鳴らない……我々は問い質す相手を間違えたか……
次にツキツバ・ギンコに斬られた者達の内、命に別条がない者を呼び事情聴取する事にした。
「で、あの者達はお前達に勇者セインの称賛を強要した事が、お前達を殺した犯行動機だと主張しているが―――」
「なんだよそれ!?まるで俺達が加害者みたいじゃねぇか!」
チーン
……鳴ったか。
「言い忘れていたが、これは嘘を看破する魔導具だ。つまり、君は動機詐称を行った事になる」
「何で鳴るんだ!?待ってくれ!別に嘘はついてない筈だ!」
チーン
「この魔導具の前でこれ以上余計な事を言えば、お前を偽証罪で訴えるぞ」
「ぐっ……ムカついたんです」
……
鳴らないか。
「で、お前達に勇者セイン称賛を強要したツキツバ達に腹を立てた理由は?」
「そんなの!あいつらが上から目線で―――」
チーン
「あいつらの言葉遣いが―――」
チーン
「……彼女にフラれたからです」
……
ここで鳴らないとは……勇者セイン
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