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星河の覇皇
第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その六十五

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「ビスマルクは歴史から学んでいたがな」
「愚者は経験から学び」
「余は自分から学ぶ、ですね」
「彼の言葉の一つですね」
「歴史からも学べますね」
「そうだ、だがどちらにしても学べたならな」
 それが経験からでも知識からでも歴史からでもというのだ。
「どちらにしてもそこからわかる」
「カルト教団のこともですね」
「そして騙される者は減る」
「そうなっていきますね」
「その都度な、ロシアでは偽皇帝が出てだ」
 偽ディミトリーである、ロシアの動乱期にポーランドから出た。しかも複数出て来たから驚くべきことだ。
「最初は騙されたが」
「やがて、でしたね」
「多くの者が信じなくなりましたね」
「偽皇帝が出て来ても」
「それでも」
「あの国の歴史の特徴だったが」
 死んだ筈の皇帝がいきなり出て来ることはだ。
「しかしだ」
「それが続き」
「動乱期には騙されても」
「それがエカテリーナ二世の頃になると」
「騙される者は少なかったですね」
「あの時はプガーチョフの乱があった」
 エカテリーナ二世の頃のボルガ川流域での叛乱だ、コサックのプガーチョフという男がエカテリーナ二世の夫ピョートル三世の名を騙って叛乱を起こしたのだ。
「あの時プガーチョフもそう言ったが」
「あまり騙されず」
「叛乱は鎮圧されましたね」
「そうなりましたね」
「そうだ、何度も出るとな」 
 そうなると、というのだ。
「騙されなく名る、それで騙されるならな」
「もうどうにもならないですね」
「そうした愚か者ですね」
「それこそ神でないと救えない」
「そうした輩ですね」
「残念だが世の中白痴同様の輩もいるからな」
 だからだというのだ。
「そうした輩は騙されるが」
「もう大抵の者はですね」
「次第に黙れなくなりますね」
「そしてカルト教団は力を持てなくなる」
「そうなりますね」
「その為に連中を潰したなら世に知らせる」
 そのカルト教団のことをというのだ。
「そしてだ」
「また同じ様なものが出て来ても」
「その都度潰し」
「徐々に騙される者を減らしていき」
「やがてはですね」
「碌に力持てない様な、な」
 そこまでというのだ。
「組織にする」
「左様ですね」
「そうしていきますね」
「出る度に潰し」
「まさに徐々にですね」
「そうする、なくならずともな」
 どうしても徐々に出るがというのだ。
「力をなくしていく」
「それは首相がおられる間だけでなく」
「後の方々にもですね」
「申し継ぎをしていき」
「そしてですね」
「何度もですね」
「潰していく」
 こう言ってだ、カミュは前にいる者達にカルト教団を潰すことを任せた。その話をした次の日にだった。
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