黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第8話
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「だってお前……さっきからずっと、自分は鉄屑以下ですって言ってんだぜ?」
それは、自分の方が格上であることを前提とする言葉だった。その侮辱に青筋を立てるグールベレー隊員は、マイクロウェーブガンを向けながら一気に突撃して来る。
「……口の減らない男だッ!」
「お宅の教官は教えてくれなかったのか? 無駄な怒りは目を曇らせるってよッ!」
相手の怒りを誘って「隙」を引き出したアサルトスパルタンは、仮面の下で不敵な笑みを浮かべながら、ホバーユニットで鮮やかに地を滑る。その挙動に翻弄されるグールベレー隊員は、マイクロウェーブガンで捉える前に背後を取られてしまった。
(速いッ……! しかもホバー移動では奴の動きが読みづらいッ……!)
単純な移動速度ならグールベレー隊員の方が僅かに上。しかし自分の足で移動する彼とは違い、アサルトスパルタンはホバーユニットの推力で動いている。そのため、足の動きを見て次の行動を予測することが通常よりも困難なのだ。
「……こいつは授業料だぜ」
敵方のマイクロ波を紙一重でかわしながら背後を取ったアサルトスパルタンは、装備を「試製対改造人間用バズーカ」に切り替え、その砲口をグールベレー隊員の背に向けた。間髪入れず引き金を引き、特製の弾頭を撃ち放つ。
「ありがたく喰らいッ――!?」
「――喰らうのは貴様だァッ!」
だが。バズーカ系統の装備を持っていたのは、グールベレー隊員も同じであった。しかも「上位互換」である彼の武器の方が、弾速も上。振り向きざまにバズーカを構えたグールベレー隊員は、瞬く間に迎撃の1発を撃ち放って来る。
その弾頭はアサルトスパルタンが撃った砲弾と激突し、苛烈な爆発を引き起こしていた。先に撃ったのはアサルトスパルタンの方だが、弾頭はグールベレー側の方が遥かに速い。そのため、より強い衝撃を浴びせられたのは――アサルトスパルタンの方だった。
「ぐわぁあぁあッ!」
爆炎に飲み込まれ、バズーカを手放しながら吹き飛ばされて行くアサルトスパルタン。戦う前からすでに満身創痍だった彼の鎧はさらに深く傷付き、もはや戦闘機能を維持していること自体が奇跡と言える状態となっていた。仰向けに倒れた彼を冷たく見下ろすグールベレー隊員は、不遜に鼻を鳴らしてとどめを刺そうとしている。
「ぐ、うぅッ……!」
「ふん、手こずらせおって。……最期の情けだ、神に祈る時間くらいはくれてやる。祈りが届けば、願いを叶えてくれるかも知れんぞ?」
「……へっ。それじゃあ、お言葉に甘えて祈らせて貰おうか。てめぇがさっさとくたばりますように、ってよ」
「最期まで……口の減らない男よッ!」
どれほど追い詰められても悪態が止まないアサルトスパルタン。そんな彼を今度こ
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