黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第7話
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ルベレー隊員の刃と鍔迫り合いしながら、優しげな声色でそう呟いていた。ひび割れた仮面の隙間からは吐血が漏れ出ており、立っているのもやっとであることは火を見るより明らかなのだが、仮面に隠された彼の双眸は今もなお苛烈な闘志に燃えている。
「あ、あぁ……アレクシス中尉ッ!」
そんなアレクシスことソニックスパルタンの勇姿に、一兵卒の青年は感極まった表情を露わにしていた。この地獄に現れた希望のヒーロー。その復活劇に、避難民達も歓声を上げている。
「貴様……あれほど痛め付けてやったというのに、まだ立ち上がって来るか。死に損なったというのなら、そのまま寝ていれば良かったものを」
「そのはずだったんだが、彼に叩き起こされてしまってね。こう騒がしいと、おちおち寝てもいられない」
一方、高周波ブレード同士の鍔迫り合いに持ち込まれたグールベレー隊員は、忌々しげに口元を歪めていた。そんな彼に不敵な笑みを向けながら、ソニックスパルタンはさらに強く刃を押し込んで行く。一体この外骨格の、この人間のどこにこんな力が残っていたのか。グールベレー隊員は、ただ驚愕するばかりとなっていた。
「ア、アレクシス中尉、お怪我は……!」
「良い目覚ましをありがとう、上等兵。君の名前は?」
「あ、明智天峯……であります!」
「明智か、良い名だ。それでは明智上等兵、命令を伝える。避難民達を守り抜き……何としても生き延びろ!」
一兵卒の青年こと、明智天峯上等兵。その名前を耳にしたソニックスパルタンは、仮面越しに優しげな笑みを向け――上官としての「命令」を告げる。グールベレー隊員の刃を斬り払い、スラスターを噴かして明後日の方向に飛び出したのはその直後だった。
避難民達の側からグールベレー隊員を引き離すためなのだろう。その狙いを見抜いた上で、グールベレー隊員は敢えて誘いに乗り、ソニックスパルタンを追うように背部のスラスターを噴かしていた。彼の背面にも、超高速を齎すバックパックが装備されているのだ。
「……ふん、良いだろう。ならばもう一度寝かし付けてやる。今度こそ健やかに永眠しろ」
「出来るかな? 君の疾さならもう掴んでいる」
「掴めたからなんだと言うのだ。所詮人間の身では、反応が追い付いても身体の方が付いて来れないだろうッ!」
ショッピングモール内を超高速で翔ぶ、2人の超戦士。彼らは各々のスラスターを噴かしながら、破壊された施設内を猛スピードで駆け抜けている。基礎性能でソニックスパルタンを上回っているグールベレー隊員は、徐々に追い付き始めていた。
「いいや……付いて行ける。僕と、このソニックスパルタンならッ!」
「……ッ!?」
だがそこで、グールベレー隊員にとっても予想外の事態が起きる。「最大稼働状態」とな
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